研究課題/領域番号 |
23H02870
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
高草木 洋一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 上席研究員 (60439916)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 超偏極 / 代謝 / がん / 放射線 / 増感剤 / 代謝診断治療 / 診断カクテル |
研究実績の概要 |
本研究では、がん医療の高度化に資する次世代技術を開発するため、新しい画像診断及び治療手段を基盤とする化学放射線療法の創成を最終目標とした基盤研究を推進する。具体的 には、国内発として治験進行中の放射線増感剤と、さまざまな生理学的特性やその変化の早 期検知を可能とする超偏極-核磁気共鳴代謝イメージング (HP-MRMI) を組み合わせ、代謝画像に基づく次世代の高精度診断治療の開発基盤を構築する。アジアでは初となる世界最高性能の偏極機や最先端の医用装置群を擁する国内初の超偏極研究拠点にて基礎研究を推進し、 従来の問題点を一掃する新しい角度からのがん医療の可能性を証明すると共に、その実用化開発に向けた研究成果を発信する。また、本基盤研究を皮切りに、その技術開発で大幅な遅れを取っている国内の HP-MRMI 研究を主導し、①計測環境等の整備や②新たな分子プロー ブの創製、③他の画像診断では困難な新しいモダリティー開発、④予防から予後観察までに利用可能な新しい医用技術としての開拓など、その普及促進にも努める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超偏極-核磁気共鳴法に必要となる装置群および装置接続を完了し、計測に最適となる高感度化条件や測定条件の決定、実際に細胞やモデルマウスからの予備データの取得に成功しているため。
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今後の研究の推進方策 |
すでに設定を完了した装置群や計測条件を応用し、モデルマウスにおけるがん代謝診断治療実験を本格化する。選定したいくつかの 13C 標識分子プローブや診断カクテルを応用し、放射線治療の有無や治療前後におけるモデルマウス担がんの代謝反応の変化を追跡することで、超偏極-核磁気共鳴代謝イメージングの有用性を証明する。
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