研究課題/領域番号 |
23H02937
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
梅本 晃正 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特任准教授 (50620225)
|
研究分担者 |
田中 洋介 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特任講師 (10509087)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 造血幹細胞 / グルタミン代謝 |
研究実績の概要 |
トロンボポイエチン(TPO) は造血幹細胞の自己複製分裂を誘導する一方で、巨核球・血小板への分化も誘導する。しかし、幹細胞がこれらの効果を使い分ける機構は未解明である。最近、申請者らは骨髄抑制後の造血回復期における造血幹細胞の研究を通して、幹細胞はクロマチン動態を変化させ、分裂後の運命を「幹細胞」から「分化細胞」へ変えることを見出した。申請者は「幹細胞におけるTPO 応答の“パラドックス”」は「幹細胞間のクロマチン動態の差異」に起因すると考え、本研究では造血幹細胞の運命制御機構の一つとして「クロマチン動態を基軸としたサイトカイン応答」を新たに示すことを目的とする。さらに、「造血幹細胞のクロマチン動態に準じたサイトカイン投与」が骨髄造血回復療法の新たな治療戦略となる可能性を検証する。 当該年度は、「Glud1 阻害処理で維持された EPCRHigh 幹細胞」が「通常培養条件下で維持された EPCRHigh 幹細胞」と同等以上の幹細胞性を示すかを検討した。RNA-seq、ATAC-Seqでそれぞれ遺伝子発現パターンとクロマチン動態を比較したところ、両者に明確な差を見出せなかったが、移植実験では「Glud1 阻害処理で維持された EPCRHigh 幹細胞」がより優れた幹細胞機能を示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「Glud1 阻害処理で維持された EPCRHigh 幹細胞」の性状解析が順調に進んでいるため。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度以降はGlud1阻害が幹細胞を維持する機構、幹細胞がグルタミン分解に頼らずに分裂出来る機構を明らかにしていく。
|