研究課題
長期間に渡って新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に持続感染している免疫不全患者から、鼻咽腔スワブ検体を採取し、RNA抽出を行った。RNAを逆転写反応によりcDNA合成し、SARS-CoV-2のウイルスコピー量を定量PCR法で測定した。同一検体を使用して抗原量の測定も実施した。十分な量のコピー数があったサンプルを選択して、SARS-CoV-2の全長配列を次世代シークエンス解析により決定した。経時的に得られた検体の全ゲノムデータを比較、クラスタリング解析し、宿主内で変異パターンが急激に変化するウイルス進化が起きている状況を把握することができた。さらに、薬物治療の前後で得られた全ゲノム解析データをもとに、過去のin vitroのデータや、薬剤結合部位に近接する箇所を中心に解析を進め、薬剤耐性に関わる変異の候補をスクリーニングした。
1: 当初の計画以上に進展している
長期ウイルスを排泄している免疫不全患者を中心に検体を収集し、検体からウイルスの全ゲノム解析をすることができた。薬剤耐性への関与の可能性がある変異の同定ができた。患者の血漿からの中和抗体能を測定することを計画しているが、その解析法の進展も計画通りに進んでいる。
免疫不全患者の抗体価を測定し、体液性免疫の活性化が内在的に起きているのか、外部から補充した抗体療法により抗体価が上昇しているのかを明らかにする。また、新型コロナウイルスの野生株スパイクタンパク質および実際に患者が感染したウイルスの亜型に対するスパイクタンパク質に対する中和抗体能の測定を実施する。また、全ゲノム解析データを世界中のウイルスデータベース(GISAID)と比較し、耐性変異がどれくらいの割合で存在するのか薬剤投与開始時期との関連を解析する。
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 16件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 10件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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