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2023 年度 実績報告書

膵β細胞におけるオートファジー制御とその破綻のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23H02964
配分区分補助金
研究機関順天堂大学

研究代表者

綿田 裕孝  順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (60343480)

研究分担者 西田 友哉  順天堂大学, 医学部, 准教授 (10581449)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード2型糖尿病 / オートファジー / 膵β細胞
研究実績の概要

2型糖尿病は徐々に膵β細胞機能不全が進行する疾患であるが、そのメカニズムに関しては明確にされていない。剖検膵を用いた研究では、2型糖尿病患者では膵島にアミロイド沈着が認められることが知られている。さらに、健常人に比べて2型糖尿病患者の剖検膵β細胞ではリソソーム分解酵素であるカテプシンDとBの発現が著明に低下していることが報告されている。カテプシンDはアルツハイマー病の成因と考えられるアミロイドβの分解を行っている可能性が指摘されていることを考えると。膵β細胞で発現するアミリンを基として出現する細胞外アミロイド沈着とそれに起因する膵島障害の抑制にカテプシンDが関与している可能性がある。
そこで、本研究においては膵β細胞恒常性維持におけるカテプシンDの作用を解明することを目的とする。その目的で、CRISPR-Cas9システムを用いてカテプシンDノックアウトMIN6細胞株を樹立した。その結果、カテプシンD欠損は膵β細胞におけるリソソームの容積を増加させ、また、TFEBの発現を抑制した。また、膵β細胞特異的カテプシンD欠損マウスを作成した。本マウスでは膵β細胞のリソゾーム容積の増加を認めるものの、本マウスにおいては耐糖能障害を示さなかった。一方、本マウスとヒトIAPPを発現させたトランスジェニックマウスを掛け合わせると耐糖能の悪化を認めた。
本研究結果は、カテプシンDがヒトIAPPの毒性除去に関与している可能性を示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

膵β細胞のおけるカテプシンDが何らかの特別な役割をもっているとの仮説のもと、膵β細胞特異的カテプシンD欠損マウスを作成した。本マウスでは膵β細胞のリソゾーム容積の増加を認めるものの、本マウスにおいては耐糖能障害を示さなかった。一方、本マウスとヒトIAPPを発現させたトランスジェニックマウスを掛け合わせると耐糖能の悪化を認め、カテプシンDがヒトIAPPの毒性除去に関与していることを示唆する結果を得ており、ある意味、仮説を支持する結果が得られている。

今後の研究の推進方策

今後、膵β細胞特異的カテプシンDノックアウトマウスとhIAPPトランスジェニックマウスを掛け合わせたマウスにおける耐糖能の悪化のメカニズムを検討することに注力する。
とくに、腫大したリソソームに含まれるものとしてhIAPPを想定しているが、それと同時に、客観的にリソソームに含まれる物質の同定を行う。また、アミロイド沈着による細胞毒性が膵β細胞のインスリン発現量低下を生じるメカニズムを検証する。

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公開日: 2024-12-25  

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