今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度に樹立したヒトiTS-P細胞のインスリン分泌細胞への分化誘導を計画している。ES/iPS細胞からインスリン分泌細胞への分化誘導は、Nat Biotech 2006, 24, 1392-1401やCell 2014, 159, 428-439に報告されている方法が、多くの施設で使用されている。生体では受精卵から、1. Definitive endoderm、2. Primitive gut tube、3. Posterior foregut、4. Pancreatic endodermを経て、5.インスリン分泌細胞へと分化していくが、これらのプロトコールはこの過程をin vitroで模倣した形になっており理にかなった方法である。iTS-P細胞は理論上、4. Pancreatic endodermの位置にある細胞であるため、1-4への分化誘導は必要ないと考えられる。上記の4-5の分化誘導法を試しつつ、研究代表者らが開発した分化誘導法(Diabetes [IF 9.337]、Stem Cells Transl Med [IF 7.655]などに報告)とも比較し、最適な分化誘導法を確立する。
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