研究課題/領域番号 |
23H02983
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
衛藤 剛 大分大学, グローカル感染症研究センター, 教授 (00404369)
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研究分担者 |
小川 雄大 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (40733621)
西園 晃 大分大学, 医学部, 教授 (70218155)
山田 健太郎 宮崎大学, 農学部, 教授 (70458280)
北川 雅浩 大分大学, 医学部, 医員 (80914829) [辞退]
小林 剛 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (90324847)
長谷川 巧 大分大学, 医学部, 医員 (60994720)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | レオウイルス / 胃癌 / 腹膜播種 / 微小癌診断 / 免疫療法 |
研究実績の概要 |
我々は、術中蛍光イメージングによる腹膜微小癌診断、光線力学療法併用、免疫チェックポイント阻害剤を用いた免疫療法併用可能な診断治療一体型Oncolytic Virotherapyの開発を目指している。本研究では、マウスモデルおよび免疫正常なハムスターにて、組換えレオウイルスの殺癌細胞効果、リアルタイム微小癌イメージング、光線力学療法の効果、ならびに免疫チェックポイント阻害剤との抗腫瘍併用効果を評価する。 BDFP/killerRed組換えレオウイルスは、胃癌細胞株および膵癌細胞株、ハムスター癌細胞への感染と蛍光発現が確認された。予定通りヌードマウスへ各種癌細胞株の皮下もしくは腹腔内移植を施行し、皮下結節または腹膜播種モデルの作成に成功した。現在、担癌モデルへのウイルス投与を行っており、蛍光発現の程度を見ながら、適宜ウイルスの改良や濃度の調整などを行い、実験を継続している。その過程で、組み換えレオウイルスの細胞指向性および外来遺伝子の安定性に課題があることが判明した。限定的な細胞指向性は変異型S1分節の併用により拡張が得られて解決が見込める状態であり、外来遺伝子の安定性はコドン最適化により安定化できることが共同研究者の小林らにより示されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在、共同研究者の小林らの所属する大阪大学微生物病研究所ウイルス複製研究グループから提供された塩基配列をもとに、変異型S1分節を伴うコドン最適化が施された外来遺伝子導入の新規の組換えレオウイルスを作成し、カルタヘナ法に係る大臣承認申請中である。並行して、これまでの組換えレオルスでの限定的な細胞指向性は変異型S1分節の併用により拡張を見込める状態であり、in vitro での感染実験を行い、データ解析を追加して論文投稿を準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
癌細胞を接種したマウスを用いて、山田らの作成したレオウイルスの術中蛍光イメージングによる微小播種診断の有用性をex vivoイメージング等により評価し、抗腫瘍効果も明らかにする。さらに、皮下結節担癌マウスモデルおよびハムスター膵管癌細胞株を用いた皮下結節・腹膜播種担癌ハムスターモデルでの組換えレオウイルスのViabilityを検討する。また、胃癌で保険適応のある免疫チェックポイント阻害剤Nivolumabとの併用効果および有害事象についても検討する計画である。
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