研究課題/領域番号 |
23H03034
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
寺村 岳士 近畿大学, 大学病院, 准教授 (40460901)
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研究分担者 |
舘野 浩章 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30450670)
村川 泰裕 京都大学, 高等研究院, 教授 (50765469)
小野寺 勇太 近畿大学, 大学病院, 助教 (30510911)
竹原 俊幸 近畿大学, 大学病院, 助教 (60580561)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 幹細胞 / 間葉系幹細胞 / 再生医療 / 単一細胞解析 / 転写因子 |
研究実績の概要 |
間葉系幹細胞(MSC)は変形性関節症、脊髄損傷、GVHDなど様々な疾患に対する再生医療に広く用いられている組織幹細胞である。MSCの製剤化や対象疾患の拡大は急速に進んでいるが、一方でその品質を正確に評価可能なマーカーが存在しない。本研究ではMSCの幹細胞性成立に重要な役割を果たす転写因子と、その活性に相関する細胞表面マーカーを同定することで治療効果や品質を正確に評価する指標の開発を目的とし、転写因子-細胞表面マーカーペアリングとその一例としてTWIST1-LRRC15の有用性と可能性を明らかにするための研究を進めている。当該年度には、新たな転写因子-細胞表面マーカーのペアを探索するため、分担研究者である舘野教授(産業技術総合研究所)とともに患者骨髄血由来初代MSCを用いてシングルセルRNAシークエンスを実施した。また、LRRC15をはじめとする新規同定マーカーの有用性と機能を正確に評価するためにマウス尾静脈および骨髄内移植の手技と検出系の確立を行なった。これにより、これまで不可能であった培養MSCの生体内での長期観察が可能となり、実際に培養MSCの一部が骨髄内に定着、増殖し、さらに移植後2週間で再摘出後にコロニー形成能力を示すことを明らかにした。これらの結果に基づき、当該年度までに得られた研究成果については第23回日本再生医療学会シンポジウムにて発表を行なった。また、本研究開発事業でその有用性を明らかにしたマーカーを用いて、マウスES細胞およびヒトiPS細胞より誘導したオルガノイドよりMSCを分離する方法を開発した。今後、新たなマーカー開発を進めるとともに、iPS技術との統合により新規の再生医療技術を確立していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
網羅解析、動物モデルの確立など順調に実施できている。また、当該研究事業で開発された技術について特許申請を行なった。現在、研究成果の一部について論文化を進めており、次年度中の掲載を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度に実施中のscRNAseq-糖鎖解析により同定された新規マーカーについて、機能解析や骨髄内移植実験を進める。また、ヒト臨床検体を用い、臨床実装を意識した研究開発を進めていく予定である。
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