研究課題/領域番号 |
23H03091
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
小野 高裕 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30204241)
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研究分担者 |
高橋 一也 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (10236268)
小久保 喜弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 特任部長 (20393217)
堀 一浩 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70379080)
白水 雅子 大手前短期大学, 歯科衛生学科, 講師 (10879448)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 咀嚼能力 / 咀嚼行動 / 高齢期 / 生活習慣病 / 認知症 |
研究実績の概要 |
2024年1月末の時点で吹田研究NEXTにおいて歯科検診の受診者は1474名(男性683名、女性791名、平均年齢75.0±6.4歳)であった。健診全体の受診者(1500名)の98.2%の同意が得られた。検診内容は以下の通りである。(1) 口腔内診査(DMF index、機能歯数、残存歯数、Eichner分類、CPI改訂法、舌苔付着)(2) 義歯の装着状況(全部床・部分床、維持の状態)(3) 機能検査(最大咬合力:デンタルプレスケール、咀嚼能率:検査用グミゼリー)(4) 歯科受診状況等(定期健診の有無、歯が何本あるかの認識)以上の各項目について粗解析を行うことにより、対象者の口腔健康状態の特徴を把握した。また、本研究のメインアウトカムである咀嚼能力については、咀嚼能力低下者の評価結果について、visual scoreと画像解析による判定との乖離の補正基準を検討した。さらにもう一つのメインアウトカムである咀嚼行動(咀嚼回数、咀嚼時間、取り込み回数、咀嚼テンポなど)の測定については、健診参加者が従来の吹田研究参加者(平均年齢67.1歳)と比較して高齢であり、また健診項目が非常に多いことから疲労度を考慮する必要があることが明らかとなり、対象者と測定日の設定を再考する必要があることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
吹田研究NEXTの健診は新型コロナウイルス感染症の5類移行により順調に推移し、歯科検診の受診率も98.2%と高く、2024年1月末の時点で受診者は1474名に達しており、口腔健康項目のデータ採得は順調に進んでいる。その一方で、咀嚼行動(咀嚼回数、咀嚼時間、取り込み回数、咀嚼テンポなど)の測定については、健診参加者が従来の吹田研究参加者(平均年齢67.1歳)と比較して高齢であり、また健診項目が非常に多いことから疲労度を考慮する必要があることが明らかとなり、現在も対象者と測定日の設定を再考しているため、測定開始が予定よりも遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
咀嚼能力をはじめとする口腔健康項目については順調にデータが得られているため、今年度より生活習慣病、心不全、感覚器障害、認知症との関係について横断解析を進めていく予定である。また、予定が遅延している咀嚼行動測定に関しては、参加者の年齢と疲労を考慮し、食品摂取中の誤嚥リスクを可及的に少なくすることを第一義に、国立循環器病センター健診部と慎重に検討を重ねている。現時点では、比較的年齢層が低く、自立度が高く、健診に対する参加意欲が高い「吹田研究オリジナルコホート」参加者から選抜すること、健診とは別日程を設定することなどが対策として上がっており、その方向で実施計画を策定する。
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