研究課題/領域番号 |
23H03114
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
上岡 寛 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80253219)
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研究分担者 |
原 徹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 技術開発・共用部門, ステーション長 (70238161)
中條 真奈 (橋本真奈) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (80824581)
伊豆 弥生 岡山理科大学, 獣医学部, 准教授 (90431949)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | を生体ボリュームイメージ解析 / FIB-SEM / 骨形成 |
研究実績の概要 |
我々は前回の基盤研究(B)で広領域の骨系細胞と詳細なコラーゲン配行を同時に捉えることに成功し、その研究過程で整然とした骨細胞ネットワーク形成と秩序正しいコラーゲン線維の配行が骨の形状と機能の維持に関与していると考えるようになった。しかしながら、この両者が同時に生じるための矛盾点にも気がついた。そこで「骨細胞ネットワーク形成が完了する時期とコラーゲン線維が秩序正しく配列する時期に焦点を当てることは初期骨形成機序の解明において重要な論点ではないか?」という学術的問いに至った。そこで、骨芽細胞から骨細胞への移行と、その移行に際して骨芽細胞から産生されるコラーゲン線維の構築過程を生体ボリュームイメージ解析で解明し、さらにコラーゲン線維の配行に必要な骨芽細胞の同調移動にも着目し、同調性の欠如した骨芽細胞をもつKOマウスを用いて初期骨形成機序を解明していく。そして、矯正歯科治療後の骨の安定性を解明できる基盤的研究とする。 これまで、3次元ボリューム解析はニワトリ胚頭蓋骨を用いて行ってきた。しかしながら、今回用いるマウス長管骨の解析では新生骨の形成場所が限定されるために観察部位を絞る必要がある。そのために当初の研究目的のようにワイルドマウスでカルセインを用いた場所の特定を行う。つぎに該当する部位のFIB-SEMを用いた観察に移行する。そして、今回伊豆先生との共同研究で使うXII型コラーゲンの発現を欠損したマウスでの観察に移行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ワイルドマウスでの骨新生部位の確認をカルセインを用いて行った。また、長管骨のFIB-SEM用の固定・電子染色条件を各種検討したところ、観察するに足る結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
XII型コラーゲンの発現を欠損したマウスでの3次元ボリュームイメージ解析を行うことで、ワイルドタイプとの形態的な違いを検討していく。そして、骨芽細胞の移動方向の決定をインテグリン、ヴィンキュリンなどの細胞接着因子を観察することで決定して、形態形成の方向性について検討していきたい。
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