研究課題/領域番号 |
23H03116
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高橋 一郎 九州大学, 歯学研究院, 教授 (70241643)
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研究分担者 |
吉崎 恵悟 九州大学, 歯学研究院, 助教 (10507982)
寺尾 文恵 九州大学, 歯学研究院, 助教 (10510018)
竹下 信郎 九州大学, 大学病院, 助教 (50431515)
井上 茜 九州大学, 大学病院, 医員 (70967752)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | Mechanosenstive miRNA / 軟骨細胞 / 機械的刺激応答 |
研究実績の概要 |
本研究では、In vitro における下顎頭軟骨特異的 mechanosensitive miRNA の機能解析系を確立するため、軟骨細胞におけるメカニカルストレスに応答した下顎頭軟骨特異的 mechanosensitive miRNA 発現変化の in vitro 解析を行った。成長板軟骨と下顎頭軟骨における miRNA の発現パターンをマイクロアレイ法を用いて検討し、下顎頭軟骨特異的 mechanosensitive miRNA の発現をリアルタイムPCR で解析した。また、下顎頭軟骨細胞へのメカニカルストレスにより発現上昇するmiR-29a、-134、-145a、-152、および -431 の5個のmechanosensitive miRNA の発生・成長期生体における発現局在を、成長板軟骨と比較して解析するために、in situ hybridization (ISH) を行うための準備として、それぞれのプローブを作製した。加えて、マウスから下顎頭軟骨細胞ならびに成長板軟骨細胞を単離し、ストレッチチャンバーに播種した後、力を負荷し、下顎頭軟骨特異的 mechanosensitive miRNA の発現をリアルタイムPCR で解析した。一方、こうした当初予定の実験では実際の生体内における mechanosensitive miRNA の機能を解析するのが困難である事から、成長期マウスの正中口蓋縫合に存在する2次軟骨も実験対象に加え、より明確な結果を得ることを検討した。初代培養系の細胞でデータを得るのに加えて ATDC5 などの、株化細胞を利用することも有用と考え、そうした実験系の確立にも取り組んだ。初代培養系の細胞でデータを得るのに加えて ATDC5 などの株化細胞を利用することも検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の進捗状況にも記載したが、当初の予定では、成長板軟骨と下顎頭軟骨の細胞培養系で結果が明確になると考えていたものの、軟骨細胞分化の表現型については、マウス生体の正中口蓋縫合軟骨を加えた方が結果を示しやすいと考え in vivo の実験を行った。また、同様に、初代培養系の細胞でデータを得るのに加えて ATDC5 などの株化細胞を利用することも検討したため、若干の遅れを生じた。
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今後の研究の推進方策 |
研究の現在までの進捗状況にも記載したとおり、より、確実な結果を得ることを目的として、細胞株や動物を利用した研究を追加して行うこととした。また、RNA プローブを用いた WMISH を実施し、miRNA の発現パターンを確定する。のマウスから下顎頭の摘出、あるいは胎齢10日の四肢胚器官培養を行い、miRNA mimic と inhibitor をエレクトロポレーションにより遺伝子導入する。それらの下顎頭ならびに四肢胚を器官培養したのち、軟骨の発生に関わる因子の発現解析を行う。さらに、レーザーマイクロダイセクションにより得られる軟骨組織から total RNA を精製し、リアルタイムPCR により下顎頭軟骨特異的 mechanosensitive miRNA の発現と各種マーカー分子の発現の定量評価を行う。すなわち、軟骨細胞分化・増殖マーカーの発現を解析し、下顎頭軟骨特異的 mechanosensitive miRNA 発現局在との比較検討を行う。
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