研究課題/領域番号 |
23H03118
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
門脇 知子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (70336080)
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研究分担者 |
佐藤 啓子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (70410579)
前田 隆浩 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40284674)
大山 要 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (50437860)
近藤 好夫 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (30581954)
五月女 さき子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (20325799)
川下 由美子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10304958)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 炎症応答 / Rabタンパク質 / 歯周病 / リスクマーカー / コホート研究 |
研究実績の概要 |
歯周病は宿主側因子が複雑に絡み、病態進行の予測が困難な疾患である。Rab44は破骨細胞の分化を制御する高分子量Gタンパク質であり、顆粒球系免疫細胞からの炎症性メディエーター放出を制御することもわかってきた。 そこで我々は、Rab44に着目し、歯周病の病態形成・促進への関与とその分子メカニズムを明らかにすることとした。長崎大学では五島市を対象とした「離島・へき地医療に関する大規模コホート研究」を進めている。住民を対象に約3000名の歯科検診を行い、経時的に口腔健康状態を調査・分析するとともに、全身疾患の罹患状況を診査している。さらに健康診断時の残渣血液よりDNAを抽出してバンキングも行っている。本年度は、コホート研究を統括している長崎大学 Nagasaki Islands Study (NaIS)より、歯科疾患の罹患状況や全身疾患状況に関する情報提供を受け、バンキングされたDNA検体保存状況を確認し、解析対象とする検体の絞り込みを行った。そのうえでNaISに対し、研究計画書と保存検体利用の申請を行い、審査・承認を受けたところである。 一方、動物実験モデルとして、Rab44ノックアウトマウス(KO)と野生型マウス(WT)にLPSを投与して炎症を誘導し、LPSを投与しない正常時のWTマウス、KOマウスを含めた4群を準備し、採取した骨髄細胞を用いて、シングルセルRNA-seq解析を行った。その結果、Rab44ノックアウトマウスと野生型マウスでは、炎症応答時の細胞分化に違いが認められることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
五島コホートを行っているNaISより、研究計画の承認と検体の使用許可を得て、当初計画していた解析に進みつつある。また、動物実験においても新たな結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、「離島・へき地医療に関する五島コホート研究」NaISより、歯科疾患罹患状況ならびに全身疾患状況に関する情報と、保存されたDNA検体の供与を受け、Rab44の遺伝子多型を解析を開始し、口腔健康状態との相関解析を進める。 また、シングルセルRNA-seq解析の結果を基に、Rab44ノックアウトマウスでの炎症誘導時の免疫細胞分化・増殖を野生型と比較解析して、Rab44の炎症応答関与における分子メカニズムに迫る予定である。
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