研究課題/領域番号 |
23H03130
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
安部 猛 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80621375)
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研究分担者 |
中島 和江 大阪大学, 医学部附属病院, 教授 (00324781)
中村 京太 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (00287731)
土屋 隆裕 横浜市立大学, データサイエンス学部, 教授 (00270413)
土屋 慶子 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 准教授 (20631823)
北村 温美 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60570356)
徳永 あゆみ 関西医科大学, 医学部, 准教授 (60776409)
佐藤 仁 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 講師 (70453040)
滝沢 牧子 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70613090)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | マルチモーダル / 転倒転落 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、入院患者の転倒転落リスクに対し、多次元データを用いたマルチモーダル機械学習モデルによる予測モデルの開発、および実装化に必要な有効性・安全性および外的妥当性の検証である。マルチモダリティでのデータ収集、および機械学習モデルの汎用化により、言語情報から得られるテキストデータ、検査値等の数値データ、疾患の有無やタイプなどのカテゴリデータ、位置情報、および周辺状況等を、それぞれ時系列データとした上で統合的に検証することが可能になりつつある。その手法を応用し、転倒転落の予測に多次元データとマルチモーダル機械学習モデルを適用し、クラスタリングによってリスクを特定する。本年度は、まず、関連分野の網羅的レビューを行った。Screening testとRisk assessmentとしての評価を同一軸で測定することは適切ではなく、前者では歩行身体能力が、後者では歩行自己効力感と臨床的判断が転倒転落を予測しうることが明らかになった(論文投稿中)。そこで、横浜市立大学附属市民総合医療センターの入院患者のうち、転倒転落リスク評価された全患者を対象とし、多次元データを用いたマルチモーダル機械学習モデルにより転倒転落リスク予測モデルを構築を試みた(和文原著:安部、佐藤、中村)。レビュー結果でも明らかであったように、実装に耐えうる精度は得られなかった。このことから、今後は、教師なし学習により、転倒転落リスクの異なるクラスタ(サブグループ)を特定し、臨床的判断のメカニズムも今後明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、入院患者の転倒転落リスクに対し、多次元データを用いたマルチモーダル機械学習モデルによる予測モデルの開発、および実装化に必要な有効性・安全性および外的妥当性の検証である。本年度実施した網羅的レビューおよびpreliminaryなデータ解析により、多次元データを用いたマルチモーダル機械学習モデルにより転倒転落リスク予測モデルを構築を試みることができた。実装に耐えうる精度は得られなかったが、共同研究機関との連携を継続し、精度向上に必要な臨床的判断の要因を特定し、実装に耐えうる転倒転落予防策の作成が可能であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、入院患者の転倒転落リスクに対し、多次元データを用いたマルチモーダル機械学習モデルによる予測モデルの開発、および実装化に必要な有効性・安全性および外的妥当性の検証である。本年度実施した網羅的レビューの結果、Screening testとRisk assessmentとしての評価を同一軸で測定することは適切ではなく、かつpreliminaryなデータ解析により、多次元データを用いたマルチモーダル機械学習モデルにより転倒転落リスク予測モデルを構築を試みた。しかし、実装に耐えうる精度は得られなかったことから、今後は、共同研究機関と連携し、多施設共同研究デザインを採用し、教師なし学習により、転倒転落リスクの異なるクラスタを特定する。さらに、医師・看護師による臨床的判断のメカニズムを言語情報を用いて明らかにする予定である。本研究での検証により、日常診療の膨大な量のチェックリスト業務を軽減し、臨床に寄与可能な知見を創出する可能性がある。
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