研究課題/領域番号 |
23H03141
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大場 靖子 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 教授 (60507169)
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研究分担者 |
福原 秀雄 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 准教授 (80707191)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | フラビウイルス / 抗体依存性感染増強 / 昆虫特異的ウイルス / ワクチン |
研究実績の概要 |
ISFV-IIに対するモノクローナル抗体作製のためのマウス免疫用の抗原として、ISFV-IIであるPsorophora virus(PSFV)を蚊培養細胞であるC6/36細胞を用いて増殖させ、20%ショ糖クッション法にてウイルスの濃縮を行い抗原とした。続いて、抗原を免疫したマウスの脾臓から、抗原特異的B細胞受容体を発現している胚中心由来B細胞をソーティングにより単離するためのプローブの作出を試みた。PSFVのCapsid(C)、precursor membrane(prM)並びにEnvelope(E)タンパク質から構成されるウイルス様粒子(VLP)の発現コンストラクトを作出し、哺乳類由来培養細胞を用いて発現させたVLPに蛍光標識することでプローブとした。また、胚中心由来B細胞をソーティングするための方法の最適化、また単離したB細胞の単細胞培養の方法を最適化した。フラビウイルスの中和試験並びにADE試験を迅速且つ高感度に判定するために、ウイルスを用いた試験法の代替試験法として、一回感染粒子(SRIP)を用いた試験の構築を試みた。SRIP作製のために、West Nile virus(WNV)由来のRepliconを発現するプラスミド、WNV由来のCタンパク質、並びに各フラビウイルスのprMEを発現するプラスミドを作出した。これらのプラスミドを哺乳類培養細胞に共発現させることでSRIPを作出し、中和試験法、並びにADE試験法を構築した。また、クライオ電子顕微鏡を用いてISFV-IIの構造解析を実施するためのウイルスを精製した。ショ糖クッション法にて濃縮したPSFVを密度勾配遠心法にて密度別にフラクションを回収し、PSFV抗原陽性だったフラクションを限外濾過膜にて濃縮した。PSFV抗原用性フラクションをさらにショ糖密度勾配遠心法によって精製したサンプルについて現在解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、ISFsと病原性フラビウイルスに交差性を示す広域交差モノクローナル抗体を取得することを目標としており、B細胞シングルセル培養による抗体取得法の確立に際して必要な解析系のセットアップに予想以上に時間を要しているが、その間効率的なSRIPの産生系の開発と中和やADE活性測定のアッセイ系を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
昆虫特異的フラビウイルス(ISF)と病原性フラビウイルスに交差性を示す広域交差モノクローナル抗体を取得するため、ISF抗体産生B細胞を培養上清のELISAにより選別し、各V(D)R遺伝子情報を基に、組換えヒトIgG抗体を作出する。得られた広域交差抗体が認識するフラビウイルスの結合エピトープを明らかにするため、エピトープマッピングによる結合エピトープの同定、およびクライオ電子顕微鏡により立体構造を踏まえた結合エピトープ解析を実施する。 新たに同定したISF交差性のADEエピトープと、既知のADE及び中和エピトープの情報を基に、ISFをプラットフォームとしたワクチン抗原を構築する。ADEエピトープを除去したDENV, ZIKV等のM/Eタンパク質を持つキメラウイルスを作出し、ワクチン抗原としての感染抑制効果、および抗原と異なるフラビウイルス感染時の感染増強の有無をこれまでに確立したアッセイ系を用いて検証する。
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