研究課題/領域番号 |
23H03163
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
中村 和利 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70207869)
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研究分担者 |
渡邊 裕美 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50325479)
渡邊 慶 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40597671)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 運動器疾患 / コホート研究 / フォローアップ / 加齢 / 社会医学 |
研究実績の概要 |
2023年度は、2021-2022年度に村上市および関川村で行った10年後アンケート調査データの整理を行い、データ入力を完了した(N=6902)。継続して行っている症例収集の追跡調査に関しては、骨粗鬆症性骨折、変形性膝関節症、要介護認定者の新規発生をデータベースより検索し調査を予定通り行った。得られた2023年度の骨粗鬆症性骨折者は194人、2023年度の変形性膝関節症は608人、2022年度の要介護認定者は186人であった。毎年のアウトリーチ活動として、コホート調査だより(No.10)を全調査参加者に送付した。また10年後アンケート調査の概要を「健康コホート10年後調査」(市報むらかみ)、「村上・関川・粟島コホート10年後調査:調査結果からみえてきたこと」(広報せきかわ)、「村上・関川・粟島健康コホート十年後調査」(粟島浦村)として協力自治体に報告した。8月19日の第18回「村上・岩船地域の医療を考えるフォーラム(村上市)」において、研究成果の報告を行った。また2021-2022に行った本研究サブグループにおけるサルコペニア調査、すなわち体組成検査と握力測定のデータ整理も行い、最終的に2193人(男性888人、女性1305人)が解析対象となった。サルコペニア調査対象者の平均年齢は61.0歳(標準偏差7.3)であった。原著論文に関しては「慢性疼痛と転倒リスク」と「BMI・身長と骨粗鬆症性骨折リスク」の論文を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画であるアンケート調査のデータ整理およびデータ入力を完了した。また、フォローアップにおけるアウトカムの症例収集も順調に行われた。また、今年度は論文としての成果発表が加速した。よって、本研究は順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後15年後追跡アンケート調査のための準備を行う。15年後アンケート健康調査は原則として10年後調査と同じ内容・形式で行う。自己申告アウトカムは、慢性疼痛(6ヶ月以上続く痛み)の部位別有無、糖尿病を含むその他疾患の新規発生、および健康関連QOLである。曝露要因については、運動、食生活、嗜好品、生活環境などを調査する。アンケート健康調査票の多くはJPHC-NEXTと共通の様式のものであり、加齢性運動器疾患に関連する病歴や潜在的なリスク要因を評価する独自の項目を加えている。調査票および住民説明書の作成は中村と研究協力者が行う。疾患情報収集は継続して行う必要があり、中村と渡辺慶が担当する。主要な対象疾患は、骨粗鬆症性骨折(四肢・脊椎)、変形性膝関節症(Kellgren-Lawrenceグレード2以上)であり、二次対象疾患は椎間板ヘルニアおよび要介護認定である。フィールド内の全関連病院・整形外科医院および二次保健医療圏の総合病院のデータベースより全新規症例について診療録より臨床診断情報を得る。新規要介護認定の情報は市村より得る。すでに各施設より疾患情報等の閲覧の許可は得ており、症例収集を行っている。コホート研究保有の検体管理は渡邊裕美が行う。バイオマーカー情報およびSNP情報の情報収集は渡邊裕美が行う。今後調査を実行するにあたり、問題となる事案は特に見当たらない。
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