研究課題/領域番号 |
23H03253
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
山口 智史 順天堂大学, 保健医療学部, 先任准教授 (20594956)
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研究分担者 |
渋川 周平 順天堂大学, 保健医療学部, 助教 (10911290)
藤原 俊之 順天堂大学, 医学部, 教授 (50276375)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 経頭蓋直流電気刺激 / 反復経頭蓋磁気刺激 / 人工知能 / 機械学習 / リハビリテーション / 脳卒中 |
研究実績の概要 |
本課題では、非侵襲的に脳活動の変調が可能とされる経頭蓋直流電気刺激(tDCS)による運動障害回復の促進効果を最大化するために、脳構造情報に神経生理学的特性などの個人特性を加味し、人工知能(artificial intelligence: AI)の機械学習により標的脳部位における電界値の推定精度を高め、個別の生体情報に基づき最適化したtDCSの電極配置を特定する。さらに、この結果を患者に適用し、脳卒中後の運動障害回復の促進効果とその回復の神経基盤を行動実験と神経生理学的手法により明らかにすることを目的としている。 初年度は、研究実施環境の構築、既存データからの解析方法の確立、予備実験データを取得し解析方法の確立、健常者での実験を開始した。特に今年度の成果実績として、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の1つであるTheta Burst Stimulation(TBS)による脳活動変調の効果を予測するために、事前の基本情報(性別、年齢、身長等)や神経生理学的な情報(活動閾値や脳活動変動等)データを活用し、機械学習による推定する研究を実施し、国際学術誌へ報告した。また、健常者において、MRI構造画像データを取得し、シミュレーション解析から電界値を算出し、最適化した電極配置が脳活動に与える影響について、データ取得を開始した。つぎのステップとして、健常者データをさらに取得し、TBSと同様に効果予測の研究を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は、本研究の基盤となる非侵襲的脳刺激法の効果予測の解析方法を、既存データから確立できた。この成果は国際学術誌に投稿し掲載された。この解析方法を活用し、健常者や患者への実験へスムーズに進められると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度で、健常者において、MRI構造画像データを取得し、シミュレーション解析から電界値を算出し、最適化した電極配置が脳活動に与える影響のデータ取得を開始することができた。また機械学習を用いた解析方法を確立できた。今後、まずは健常者データをさらに取得し、TBSと同様に効果予測の研究を進めていく予定である。また、脳卒中患者における研究を開始するために、計測システムの構築と倫理委員会の申請を進めていく。
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