研究課題/領域番号 |
23H03400
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
加藤 誠 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (00646911)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 情報検索 / ランキング学習 / エンティティ検索 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本年度は,「1. 汎用検索アルゴリズムの開発」の課題である「1-1. ランキング学習モデルの汎化」および「2. 汎用ユーザモデルの開発」の 課題である「2-1. 汎用ユーザクエリモデルの構築」に取り組んだ. 1-1. ランキング学習モデルの汎化: 本研究課題では,特徴の特徴,すなわち,「メタ特徴」から,ランキングモデルにおける特徴の重みを回帰モデルによって推定し,多量の学習データを用いることなく特徴のみからモデルを学習する方法を提案した.これは従来の「サービス固有のデータからランキング方法を学習する」 というアプローチではなく,「複数サービスからランキング方法を構築する方法を学習する」というアプローチとなっている.実験によって提案手法の効果を検証し,他のサービスで学習されたモデルをそのまま利用する場合に比べて,統計的有意に提案手法が優れた性能を示すことを確認した. 2-1. 汎用ユーザクエリモデルの構築: 情報検索システムの評価にはオンライン評価とオフライン評価があるが,どちらにおいても十分な資源が必要となる.オンライン評価には十分 な利用者データが必要であって,オフライン評価には評価用クエリの選定や適合性判定など人手による作業が必要となる.そこで,本研究課題 では,サービスに対して入力される可能性の高いクエリを人工的に生成し,適合と判定される結果をクリックするような汎用ユーザモデルの開発を目指す.2023年度は特にクエリ生成に取り組み,ユーザからプロファイリングを行う方法,また,サービス中の文書からクエリを生成する方法について提案および検証を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究課題「1. 汎用検索アルゴリズムの開発」の課題である「1-1. ランキング学習モデルの汎化」は当初2023年度から2024年度にかけて行う予定であったが,2023年度時点において学会論文にまとめられる段階にあり,2024年においては主に検証を行う予定である.そのため,「1. 汎用検索アルゴリズムの開発」という研究課題については当初の計画以上に進展していると言える. 研究課題「2. 汎用ユーザモデルの開発」については当初の計画通りの進捗がある. 2023年度に取り組む予定の2つの研究課題の進捗から,当初の計画以上に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
研究課題「1. 汎用検索アルゴリズムの開発」については2023年度において多くの進捗が得られたため,2025年度に実施予定の「エンティティ検索モデルの汎化」について,前倒しをして実施することを検討している.
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