研究課題/領域番号 |
23H03464
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
田中 剛平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90444075)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 多様性 / 数理モデル / 機械学習 / 時定数 / リザバー計算 |
研究実績の概要 |
本研究では、多様性を考慮した脳型計算システムの構築・開発を目標としている。本年度は、関連研究の調査とリザバー計算モデルへの多様性導入の検討を行った。
関連文献調査により、人工知能等の計算システムにおいて多様性を考慮した研究を整理し、多様性導入の動機や計算機能に対する影響について調べた。その結果、神経科学の知見に基づいて特性の異なるニューロンを用いたモデルは検討されているが、多様性がもたらす計算機能・性能面での有用性について体系的に検討したものはごくわずかであることが分かった。こうした既知の多様性の効果に関する知見を踏まえて、新しいモデル・アルゴリズムの構築をすすめる。
最初のステップとして、時系列異常検知のためのリザバー計算モデルに多様性を導入した。提案した異常検知手法では、誤差を最小化するための回帰計算を使用せず、学習時に用いる正常データを入力したときのリザバー状態の分布からの距離を尺度として異常判定を行う。リザバーのニューロンの時定数を多様化することにより、時系列異常検知用の複数のベンチマークタスクに適用したときに、異常検知性能が向上することを示した。また、複数リザバーを用いたモデル研究においては、リザバー間の結合性の多様化を検討し、計算性能を最大化するネットワーク構造を求めるためのアルゴリズムを開発した。時系列予測タスクに関する数値実験において、局所最適化として得られるネットワーク構造は、初期構造よりも疎な構造になりやすいことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査により、多様性を考慮した人工ニューラルネットワーク研究に関する既存の知見を整理することができ、今後の研究の方向性を絞りこむことができたため。 また、リザバー計算モデルを用いて多様性導入の効果を確認することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
モデルに対してあらかじめ要素多様性を設定するだけでなく、適応的に多様性が獲得されるような仕組みやアルゴリズムについても検討する。また、実在系の多様性に関するデータ収集や実データを用いたタスクにおける性能検証も進める。
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