研究課題/領域番号 |
23H03491
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小寺 聡 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80794776)
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研究分担者 |
関 倫久 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30528873)
鈴木 雅大 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (30823885)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | マルチモーダル / 深層学習 |
研究実績の概要 |
2023年度の研究活動は、マルチモーダルAIアプローチを利用した冠動脈疾患(IHD)患者のリスク評価の有効性と、医療領域に特化した大規模言語モデル(LLM)の適応性に関する2つの研究開発を重点的に行った。研究開発1では、心電図(ECG)と胸部X線(CXR)のデータを組み合わせた深層ニューラルネットワーク(DNN)を用いて、冠動脈疾患患者を4つのリスクグループに分類した。この分類に基づく多変量Coxハザード解析を通じて、Dual-modality high-riskグループにおいて、重大な心血管イベント(MACE)の発生率が他グループに比べて有意に高いことが確認された。これにより、マルチモーダルな診断アプローチが冠動脈疾患患者のリスク評価において極めて重要であることが明らかになった。研究開発2では、医療領域へのLLMの適応が重要な課題とされている。特に、低ランク適応(LoRA)を用いた指示調整が、日本語医療問題解決タスクにおいてどのように性能向上に寄与するかを評価した。多肢選択問題を用いた実験で、LoRA調整が特定領域の知識を効果的にモデルに組み込むことができることが示された。このアプローチにより、英語中心のモデルを日本語に適応させることが可能となり、医療機関が独自にモデルを調整し、運用するための基盤が築かれた。これらの研究は、個別化医療を実現するためのAI技術の進展に大きく寄与し、具体的な臨床応用に向けた重要なステップとなっている。今後も、これらの技術をさらに発展させ、実際の医療現場での応用を目指して取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに心電図モデル、レントゲンモデルを開発することができている。 大規模言語モデルの開発が世界的に急激に進展しているため、迅速に日本の医療の大規模言語モデル開発に対応した。
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今後の研究の推進方策 |
予定通りマルチモーダル医療AI開発を継続する。
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