研究課題/領域番号 |
23H03496
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大上 雅史 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (50743209)
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研究分担者 |
山本 一樹 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任助教 (90758301)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | バイオインフォマティクス / 環状ペプチド / タンパク質構造予測 / 医薬品設計 / 中分子創薬 |
研究実績の概要 |
本研究は、中分子創薬として大きく注目される環状ペプチド創薬の計算技術による加速を目的とし、標的タンパク質への結合能を有する環状ペプチドの計算による設計技術を開発することを目的とする。 第一年度となる当年度は、既知の環状ペプチドとタンパク質の複合体構造を人手でキュレーションしたデータベースを構築し、これらのデータを活用した環状ペプチドの計算設計に向けた準備を進めた。通常扱われる標準アミノ酸からなる直鎖ペプチドと異なり、環状型であることや、非標準アミノ酸を含むことから、タンパク質立体構造予測AIはそのままでは利用することができない。そのため、まずProtein Data Bankより現状の環状ペプチド-タンパク質複合体の収集を進め、どのような非標準アミノ酸が含まれるか、どのような構造が存在するか、構造が明らかになっている標的タンパク質の種類は広範であるか、などを調査した。その上で、AlphaFold2によるタンパク質-ペプチド複合体予測が環状ペプチドにどの程度適用可能であるかを検証した。これまでに標準アミノ酸のみで構成されたタンパク質-環状ペプチド複合体予測を比較的精度良く行えることを示し、これによりdeep network hallucination法による配列の逆設計が可能であることを示した。さらに、非標準アミノ酸が含まれるケースにおいて、適切な入力配列変換により正解構造に近い予測構造を得る方法を提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
環状ペプチド複合体を扱う手法の構築が問題なく進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
タンパク質-環状ペプチド複合体予測手法についての論文化および収集データの公開を進める。また、few-shot learningを活用した転移学習によって非標準アミノ酸と標準アミノ酸の空間・類似度を表現し、より高度に非標準アミノ酸を扱う構造予測手法について研究を進める。設計した環状ペプチドについての合成・結合能を検証するためのアッセイ実験も実施する。
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