研究課題/領域番号 |
23H03584
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 健太郎 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (80374627)
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研究分担者 |
藤原 章雄 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60292794)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 海鳥 |
研究実績の概要 |
海鳥は、無人島など、人間社会のインフラが整っていない場所に生息していることが多いため、その生態を十分に把握できない状態となっている。センサを用いた観測は、近年、技術革新が進んでいるものの、電源・通信インフラの整っていない原生自然環境下での多量のデータ取得は困難なままである。そこで、本研究では無人島で繁殖するオオミズナギドリをモデルとして、自律・自動型の生態観測システムを新たに開発し、海鳥が繁殖する無人島で稼働させることを目的とした。 原生自然環境下での生態観測システムを成功させるための基盤は、電源と通信のインフラ整備であるため、今年度はこれらのシステム要素の構築に取り組んだ。具体的には、まず海鳥繁殖地に電源システムを構築するとともに、人工衛星を介したインターネット通信システムを開通させた。これらのシステムの稼働によって、無人島からでも自律的に電源を供給でき、さらに大容量のデータ通信が可能となる事を確認できた。一方で、無人島という過酷な環境が原因となり、通信設備に不具合が発生し、年度の途中から通信が途絶えてしまった。さらに、観測データを保存するデータストレージにも不具合が発生した。データストレージの不具合は復旧させることが出来たものの、通信システムの復旧は来年度以降の課題となった。 センサを介して海鳥の生態を観測するシステムの構築にも進展があった。オオミズナギドリが生息する自然巣は、自然物で構築されているため、センサなどの電子機器の設置が難しい。そこで、センサ取付けを可能にするための海鳥生態観測用の人工巣箱の制作と設置を行った。幾つかの工夫によって、我々が構築した人工巣箱は、オオミズナギドリに高頻度で利用されるようになった。さらに、ここにセンサを取り付けることで、人工巣箱を用いた生態観測が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の想定と同程度の進捗があったため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進展しているので、引き続き、当初の方針通り、研究を進める。
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