研究課題/領域番号 |
23H03630
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
日下部 尚徳 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 准教授 (60636976)
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研究分担者 |
杉江 あい 京都大学, 文学研究科, 講師 (10786023)
大橋 正明 聖心女子大学, グローバル共生研究所, 招聘研究員 (20257273)
斎藤 紋子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (20512411)
鈴木 佑記 国士舘大学, 政経学部, 准教授 (60732782)
加藤 丈太郎 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (80897596)
登利谷 正人 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (90711755)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 難民 / ロヒンギャ |
研究実績の概要 |
本研究で対象とするロヒンギャはミャンマーのラカイン州に暮らす少数派であり、主にイスラーム教徒から成る。1960年代から続く迫害と差別から逃れて世界中に暮らしており、2017年には大規模な弾圧によって隣国バングラデシュに70万人以上が避難した。 こうした背景を踏まえ、本研究では各国に暮らすロヒンギャの生活課題と生存戦略を比較検討し、またそれらが受入国の社会にどのような影響を与えているのかを各国地域の特性を踏まえて立体的に描き出すものである。それにより、ロヒンギャ一人ひとりが国際難民レジームによる支援や親族・宗教によるネットワーク、違法な手段などを組み合わせてどのように移動性と生活戦略をつくりだしてきたのかを明らかにすることを目的としている。 2023年度は、研究代表者・分担者がそれぞれ現地調査をおこない、難民化プロセスと地域での生活課題を描くとともに、ロヒンギャ間ネットワークに関する情報を収集した。初回の現地調査であったため、ロヒンギャとの信頼関係構築に重点を置いて調査を実施した。また、研究代表者・分担者が専門とする各国地域において出版されているロヒンギャ難民に関連した文献・資料の渉猟を積極的におこなった。 2023年5月、紛争や迫害により故郷を追われた広義の「難民」の数は1億1000万人を突破した。本研究課題では、ミャンマーから世界へと離散したロヒンギャ難民の移動プロセスと生活課題を、受入各国を専門とする地域研究者が移住先の社会背景を踏まえて分析することで、世界各地で不確実性のもとで生きる難民と国際社会の共生にむけた指針を示すことが可能になると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、研究代表者・分担者それぞれが現地調査を実施し、難民化プロセスと地域での生活課題を描くとともに、ロヒンギャ間ネットワークに関する情報を収集した。一部の研究分担者において航空券代の高騰および円安により旅費が不足する事態が発生したことから、次年度以降の予算配分を検討する必要性が生じた。国内においては全体研究会を開催し、現地で得られた情報の集約をおこなったほか、国内外の文献を渉猟した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究代表者・分担者それぞれが現地調査を実施し、難民化プロセスと地域での生活課題を描くとともに、ロヒンギャ間ネットワークに関する情報収集をおこなう。国際情勢の悪化や旅費高騰による影響が大きいと判断される場合には、現地の研究機関や研究協力者に調査を委託することも検討する。国内においては、これまでの調査結果を踏まえて公開講演会を開催し、参加者とともに本研究課題に関する幅広い議論をおこなう。
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