研究課題/領域番号 |
23H03636
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
岡野 英之 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (10755466)
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研究分担者 |
久保 忠行 大妻女子大学, 比較文化学部, 准教授 (10723827)
中西 嘉宏 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80452366)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | ミャンマー / タイ / 難民 / 内戦 / 非国家アクター / 国境 / 武装勢力 / 移民 |
研究実績の概要 |
本研究ではミャンマーの国境地域、なかでも、タイとの国境に近い地域(以後、「タイ隣接国境地域」と表記)が、いかに軍事政権「国家統治評議会」(State Administration Council: SAC)に抵抗する複数の勢力を結び付けるハブ(結節点)となったのか、その後、ミャンマーの国内情勢の中で同地域はどのような役割を果たすようになったのかを明らかにする。2023年度は、各研究分担者の多くが現地調査を行った。岡野英之は2023年8-9月、および、2024年2月-3月にタイ=ミャンマー国境(メーソットおよびチェンマイ)で現地調査を行った。研究協力者、佐々木研も2023年8月と2024年2月にメーソット周辺で調査を実施した。また、中西嘉宏はメーソットで開催されたthe 47th Southeast Asia Seminar on “Health, Border, and Marginality: Toward Transdisciplinarity?”に主催者側として参加した。その際にメーソットの状況について情報収集を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
コロナ禍も落ち着き、現地調査が可能となっている。ミャンマーでの政情不安があるために同国への渡航は難しいものの、国境周辺での調査は大幅に進んでいる。とりわけ、岡野と佐々木はメーソットで共同で現地調査を行った。互いの専門性を生かした調査を実施したことから、多角的な調査が可能となった。また、本研究プロジェクトに関わる研究者たちは本プロジェクトの始動以前からミャンマー情勢に関する研究に取り組んでいるため同プロジェクトの成果も比較的早い段階で公開できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の調査は二つに分かれる。第一に、変化する情勢を追い続けることである。本研究テーマはミャンマー内戦という現在進行形の事象を対象としている。ゆえに変わりゆく情勢を常に追い続けるという必要がある。各研究分担者はそれぞれの担当地域を中心に、ミャンマー情勢を追い続ける。第二に、過去を精査するという作業である。政治的な事件は過去からの影響を受けながら進行する。ゆえに現在進行形のミャンマー内戦を理解するためには過去を踏まえる必要がある。例えば、佐々木は現在、カイン州で進行している状況を理解するためにはクーデター前における「カレン民族同盟」(Karen National Union: KNU)の組織内ポリティクスを理解する必要があるとする。このように現在進行のミャンマー内戦を理解するために過去を掘り下げるという作業も進行する。
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備考 |
本研究には、佐々木研に研究協力者として参加していただいています。
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