研究課題/領域番号 |
23H03638
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
井上 陽介 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (80722016)
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研究分担者 |
松山 祐輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (80830124)
嶋多 美穂子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, ゲノム医科学プロジェクト 上級研究員 (50792727)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ベトナム / 幼少期の逆境体験 / 非感染性疾患 / ポリジェニックリスクスコア |
研究実績の概要 |
本研究課題は、国立国際医療研究センター疫学・予防研究部とニャチャン・パスツール研究所がベトナム・カインホア省農村部において2019年より共同で実施している「カインホア心血管疾患コホート研究(KHCS)」の参加者(1960~1979年に出生)を対象に、ベトナム戦争中の逆境体験と疾患発症に関する遺伝リスクがどのような相互効果を示しながら、成人期の健康アウトカムに影響しているかを検証することを目的としている。 2023年度は、2019年にKHCSに参加した3000名に対して第2回健康調査の参加を呼びかけ、2562名の参加を得ることができた(追跡率:85%)。対象者からは、質問紙データ、生体計測(身長・体重・腹囲・血圧・心拍変動)、および生化学検査データを収集した。また、遺伝リスクを評価する際に使用する予定の血液サンプルを収集した。 質問紙では、健康に影響を与える生活習慣(喫煙や飲酒など)に関する質問に加えて、本研究課題を遂行するにあたり不可欠な、ベトナム戦争中の逆境体験について状況を聞き取ることができた。また、認知機能に関わる質問や口腔衛生に関わる質問も質問紙のなかで収集することで、さまざまな健康指標を包括的に収集することができた。これらの質問紙データはすでにデータ入力を完了し、統計解析できるデータセットを完成させている。 なお、血液サンプルについては、DNAを抽出するのに最適なバフィーコートを抽出したうえで、ニャチャン・パスツール研究所の実験室内に冷凍保管している。また、2024年度以降に遺伝リスクを評価するための準備として、ベトナム国内の測定業者3社とやり取りを行い、使用する実験キット(マイクロアレイ)を選定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた通りに、順調にデータ収集を完了し、来年度以降の測定に向けた準備を整えることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
抽出したバフィーコートを利用して、マイクロアレイを使って遺伝リスクを計算する予定である。すでに倫理審査は受けているが、カウンターパート機関において追加の書類準備が必要であるという連絡があったため、その対応をしたうえで測定を進める。
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