研究課題/領域番号 |
23H03644
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
フンク カロリン 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (70271400)
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研究分担者 |
渠 蒙 北海道大学, 観光学高等研究センター, 准教授 (40910295)
張 慶在 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50782140)
笛吹 理絵 立命館アジア太平洋大学, サステイナビリティ観光学部, 助教 (50850153)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 島 / 環境的公正性 / 観光 / 東アジア / 社会的公正性 |
研究実績の概要 |
1.観光の変革に対する先行研究を検討し、コミュニティ志向の観光の変革に対するフレームワークを提案するため、2024年6月21-23日にSmall Island Culture Research Initiative と日本地理科学学会と共催で国際学会The 17th International Conference on Small Island Cultures を広島県宮島で開催し、17ヶ国・地域から52人が参加者し,45本の発表が行われた。この学会には,広島大学の院生も参加し,研究代表者と分担者全員が発表をした。そこで得られた島研究の先端結果をフレームワークに取り組んだ。 2.第1段階で構築したフレームワークを利用し、東アジア島嶼部において観光がもたらした課題をまず国内の事例から分析し、抱える課題や観光への依存度に基づいて研究対象を絞った。具体的には観光が移住に繋がった島として五島市深江島、世界遺産登録後大衆リゾート観光地と個人中心のスモールツーリズムの両立を目指す奄美大島を調査対象に設定し,それぞれ2回合同で現地調査を行った。現地調査は,行政やNPO,観光産業関係者の聞き取り調査調査を中心に行った。その他に,瀬戸内海などの島において個別調査も実施した。その結果,「島観光のイメージ構築」,「観光における移住者の役割」,「世界自然遺産の島におけるガイドシステムの構築」「観光における女性企業者の役割」,「現代アートと伝統文化のつながり」という具体的なテーマを設定した。 3.連続的に行ってきた島観光に関する研究内容を,査読付き論文(6本)と国際学会(11本)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究のフレームワーク設定,日本国内における現地調査,連続的に行っている島観光に関する学会発表と査読論文執筆は予定通り順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
1.2023年度に行った先行研究の分析と国内調査に基づき,引き続き観光の「実際の空間」と「想像の空間」の構築と管理に注目する。その中で,特に女性事業者,地域への移住者,そして自然ガイドの役割に焦点を当てる。 2.2023年度は観光と移住が深く結びついている島としては五島市の福江島,リゾート観光地と個人中心のスモール・ツーリズムの両立を目指す島としては奄美大島を調査対象に設定したので,上にあげた3グループを対象に聞き取り調査を続ける。 3.調査対象を台湾に広げ,東アジア島嶼部において観光がもたらした課題と持続可能な地域の発展への貢献について調査する。 4.国際地理学会(ダブリン,8月25-30日)において,「Island Tourism Transformations: Resilient Islands and Revitalized Communities」のセッションを開催し,本研究に関連する発表を行う。 5. 研究協力者の追加:国際協調論文を執筆することを目指し,Edith Cowan UniversityのSangkyun Kim 教授を研究協力者として加え,観光における「実際の空間」と「想像の空間」の理論的な背景について研究協力をいただく。
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