研究課題/領域番号 |
23H03718
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
大谷 健太郎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研究室長 (50470191)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / マクロファージ / エフェロサイトーシス / アポトーシス |
研究実績の概要 |
本年度はヒト人工多能性幹細胞(iPSC)から神経堤細胞を経由した2段階分化誘導法により作成した間葉系幹細胞(iMSC)、および種々のヒト組織から分離したMSCを用い、それぞれの細胞におけるエフェロサイトーシス関連因子のmRNA発現を定量PCRにより評価した。その結果、末梢血単核球や好中球に比し、iMSCおよび種々の組織由来MSCにおいてMFG-E8、GAS6、THBS-1といったエフェロサイトーシス関連因子の発現が有意に高いことが明らかとなった。さらに、iMSCにおけるエフェロサイトーシス関連因子のmRNA発現は、虚血組織を模倣した低酸素(1% 酸素)・低栄養(血清飢餓)条件下において有意に上昇した。 一方、マクロファージによるエフェロサイトーシスを観察するin vitro実験系を構築するため、ヒト末梢血CD14陽性単球(磁気ソーティングにて分離)より顆粒球マクロファージコロニー刺激因子【GM-CSF】/マクロファージコロニー刺激因子【M-CSF】によるM0マクロファージへの分化誘導系ならびに、ヒト単球細胞株であるTHP-1細胞よりホルボール12-ミリスタート13-アセタート【PMA】によるM0マクロファージへの分化誘導系を確立した。さらに、LPS/IFNγ、IL-4、IL-10刺激によるM1、M2a、M2cマクロファージへの極性変化の指摘条件を確立し、それぞれの亜型を特徴づける発現遺伝子を確定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は当初の計画通り、MSCがリンパ球や単球、好中球よりもエフェロサイトーシス関連因子の発現が高いことを確認できた。また、マクロファージによるエフェロサイトーシス実験系の根幹である単球からマクロファージへの分化誘導系ならびに発現遺伝子評価系を確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、iMSCに効率的にアポトーシスを誘導する指摘条件の検討を行うとともに、マクロファージとアポトーシス細胞との共培養系を確立し、iMSCに発現するエフェロサイトーシス関連因子の生理的意義の解明を目指す。
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