研究課題/領域番号 |
23H03788
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
梶原 祐輔 公立小松大学, 生産システム科学部, 教授 (80710706)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 生成AI / シミュレータ / 高齢ドライバー |
研究実績の概要 |
2023年度の研究では、論理的整合性をチェックする論理検査器を開発しました。論理検査器は元画像の構成要素と生成画像の構成要素のルールを比較し、論理的整合性を評価します。交通標識や横断歩道などの画像の構成要素は原画像と生成画像のルールをAIで自動取得します。ルールは知識グラフで表され、物体の種類に基づき、出力されます。元画像の知識グラフと生成画像の知識グラフは構造解析されます。生成されたシミュレータは再現度と論理的整合性で評価されました。再現度は原画像と生成画像の確率分布間の距離 (FVD:Fr’echet Video Distance)で評価されました。論理的整合性はチューリングテストで評価しました。チューリングテストでは約16名の大学生に生成画像をランダムに提示し、論理的整合性評価指標に基づき、総合評価しました。論理検査器を用いて生成された画像が交通規則に従うかどうかを自動的に評価した結果、Frechet Inception Distance(FID)や、人間の目視評価と同様の傾向が得られました。目視評価は16名の大学生が行いました。生成AIはStyleGan2とStable Diffusion modelです。FIDは論理的整合性のチェックが、一般的にわかりにくいですが、我々の提案した手法は物体間の関係と単体の物体の生成をグラフで可視化し、精度を評価できるため、評価しやすさの面から優位性があります。これらの提案手法は生成AIのチューニングおよび改善に役立ちます。これらの成果は第22回情報科学技術フォーラム(FIT2023)で発表されました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に予定していた生成画像の論理的整合性をチェックする検査器を開発し、評価しました。またあわせて2024年度、2025年度に予定していた物理的整合性とヒヤリハットシーンの生成についても取り組んでいます。
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今後の研究の推進方策 |
物理的整合性をチェックする検査器を開発するとともに、任意のヒヤリハットシーンの生成に取り組む。2024年度は物理検査器を研究開発し、物理的整合性を持つ画像を生成する技術を確立する。物理検査器は生成された画像の物理的整合性を評価する機能であり、現実世界の動きを模したシミュレータを生成するために必要不可欠な要素である。物理検査器は動体DBに記録された動きと生成画像の構成要素の動きを比較し、物理的整合性を評価する。人や自動車などの画像の構成要素は物体検出で自動取得される。動きはベクトルで表され、Deep flowなどの深層学習で自動抽出される。車などの動体が写った原画像から抽出した動きベクトルは動体DBに記録される。(b-1)動体DBの動きベクトルと生成画像の動きベクトルは可視化され、比較される。(b-2)解析で得られた知見を基に生成画像の物理的整合性を評価する関数を定義する。(e-2)そして評価関数に基づき、調整器が生成器を微調整することで物理的整合性を満たす画像を生成する。(e-3)生成されたシミュレータは再現度と物理的整合性で評価される。再現度はFVD、物理的整合性はチューリングテストで評価する。
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