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2023 年度 実施状況報告書

縮合多環πシステムを基盤とする超分子離散エキシマーと光エレクトロニクス応用

研究課題

研究課題/領域番号 23KF0062
研究機関九州大学

研究代表者

安田 琢麿  九州大学, 高等研究院, 教授 (00401175)

研究分担者 KESHRI SUDHIR  九州大学, 高等研究院, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2025-03-31
キーワードエキシマー / 狭帯域発光材料 / 有機EL
研究実績の概要

2つのπ電子系のみを積層させた離散的π会合体は、バルクとも孤立系とも異なる興味深い光学物性を示すことが期待される。このような離散的π会合体(離散エキシマーと呼ぶ)の光機能の開拓を目指して研究を進めてきた。具体的には、キサンテンを架橋ユニットとして用い、縮合多環π骨格を向かい合う形で導入した積層型分子群を設計・合成し、その光学物性を詳細に調査した。さらに、実際の有機ELにおける発光材料としての機能評価も併せて行った。その結果、離散エキシマーは優れた電界発光特性を有することが明らかとなり、対応する孤立分子や通常のエキシマーと大きく異なる挙動を示すことが確認された。本研究を通して、新しい離散エキシマーに関する基礎・応用の両面からの更なる検討が待たれる。
また、縮合多環π骨格に重カルコゲン原子をドーピングした新規発光材料の設計・合成も併せて行った。重原子効果に基づくスピン-軌道カップリングの増大により、超高速な項間交差/逆項間交差を示すことを明らかにした。量子化学計算と時間分解発光特性の解析を通して、理論と実験の両面からこれらの材料の特異な励起ダイナミクスを調査した。カルコゲン原子の電子摂動効果で、励起ダイナミクスや発光特性を変調できることを明らかにした。これらの知見は、次年度での離散エキシマーの合理的設計に活用できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね研究計画に従って順調に進んでおり、原著論文も既に1報発表している。

今後の研究の推進方策

初年度の検討で得られた知見を材料設計にフィードバックすることで、優れた発光特性や光機能を示す離散的π会合体の開発を継続的に進めていく。材料開発と併せて、実デバイスにおける機能評価についても検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Ultrafast Spin-Flip Exciton Conversion and Narrowband Sky-Blue Luminescence in a Fused Polycyclic Selenaborin Emitter2024

    • 著者名/発表者名
      Sudhir K. Keshri, Guanting Liu, and Takuma Yasuda
    • 雑誌名

      Frontiers in Chemistry

      巻: 12 ページ: 1375552

    • DOI

      10.3389/fchem.2024.1375552

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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