研究課題
Buddhism and Crisis Care Symposiumで得た成果は次の通りである。臨床宗教師はチャプレンの日本語として、 岡部健医師が2012年に提唱した。臨床宗教師は公共空間で布教伝道を目的とせず 、相手の価値観と信仰を尊重して支援するスピリチュアルケアと宗教的ケアを提供し、専門職とチームを組み、生きる力を育む。臨床宗教師養成は2012年から諸大学で臨床と座学を融合して続き、活動領域は広がった。臨床宗教師は緩和ケアだけでなく、在宅や社会福祉施設でケアに携わる。被災者に苦しみの中で生きていけるように傾聴、遺族の分ち合いなどの支援も続く。宗教学、日本医師会・医療福祉、映画ドラマなど広いジャンルから注目される。災害による喪失は死別、家や町の喪失など同時多発的喪失、感染症による死別は患者に会えない死別であり、Suvivor's guild、あの時こうしてあげればよかったと罪責感が残る。人は大きな心の傷を受けた場合、自身の心を守るために心に蓋をすることがある。その時は無理に感情を表出させない。愛情があるから罪悪感も深い。治すというより寄り添う。黙ってそばにいる。経典に最も深い愛情を「大悲」と説かれる。親鸞は三つの角度から死別の悲しみに寄り添った。第一に、泣きたい時には泣けばいい。なぜなら涙は愛情の証だからである。第二に、悲しむ心を少し休ませる。親鸞は「悲しみに悲しみを添ふるようにはゆめゆめ弔うべからず。…酒はこれ忘憂の名あり、これをすすめて笑ふほどになぐさめて去るべし」と説いた。第三に、死を超えた依り処が心の中に生まれると、悲しみと共に生きられるようになる。追悼の際、災害や戦争の経験を家族や人々に語り、次世代を守れる。臨床宗教師のケアは、その人の混沌とした語りを尊重し、真実の物語を紡ぐ。分け隔てない大悲の中で、自分の無力さを知り、苦悩する人の真実を支えることである。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 5件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 8件、 招待講演 8件) 図書 (4件) 備考 (5件) 学会・シンポジウム開催 (7件)
Studies on Humanistic Buddhism Vol. VII, 2025
巻: Vol. VII ページ: 25-38
Buddhist College Chaplain Sourcebook, ed. Ji Hyang Padma, Sumeru Books
巻: 1 ページ: 48-54
龍谷大学真宗学会『龍谷大学真宗学一〇〇年史』
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Refuge in the Storm: Buddhist Voices in Crisis Care, Norh Atlantic Books
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『龍谷叢書60 親鸞の死生観とビハーラ活動の理念と実践の融合的研究』
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『龍谷世界仏教文化研究叢書45 仏教と親鸞浄土教を機軸とした宗教実践と社会実践の研究』
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『日本エンドオブライフケア学会誌』
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Refuge in the Storm: Buddhist Voices in Crisis Care, North Atlantic Books.
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https://chsr.ryukoku.ac.jp/news/news-245/
https://chsr.ryukoku.ac.jp/news/news-305/
https://chsr.ryukoku.ac.jp/news/news-329/
https://hds.harvard.edu/news/2023/9/20/video-refuge-storm-webinar-series-part-i-buddhist-approaches-large-scale-and-community
https://hbsymposium.fgsihb.org/en/