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2023 年度 実施状況報告書

トリプトファン修飾反応の最適化と応用拡張

研究課題

研究課題/領域番号 23KF0211
研究機関東京大学

研究代表者

金井 求  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (20243264)

研究分担者 MALAWSKA KATARZYNA  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-11-15 – 2026-03-31
キーワードニトロキシラジカル / トリプトファン / 化学選択性
研究実績の概要

トリプトファンは天然アミノ酸残基の中で最も発現頻度が低く、これを標的とするタンパク質修飾反応は均質な生成物を与える点で、一般的に用いられているリジン修飾反応に比較して優位性がある。中でも当研究室で開発したトリプトファン選択的タンパク質修飾反応は、温和な反応条件や高い選択性から、世界的に見ても最も優れたトリプトファン修飾反応である。しかしながら、酸化条件を必要とするため、酸化に対して鋭敏な金ナノ粒子などをタンパク質に結合させるためには、特殊な二段階条件が必要であった。
本研究では、実験科学的に見出された逆反応を積極的に利用することで、この課題の解決を目的とする。開発する新規法の強みを活すための応用として、酸化に鋭敏なDNAを損傷しないDNA-エンコードライブラリ(DEL)構築への展開を検討し、質の高い医薬候補分子群の網羅的合成法を確立する。
本年度は、DNA存在下での酸化的トリプトファン修飾を試みた。その結果、高収率で修飾反応が進行し、DNAの損傷も最小限に抑えられていることが明らかとなった。本成果は、我々の開発したトリプトファン修飾法が核酸存在下でも副反応を引き起こすことなく進行することを示したものであり、今後の展開が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

DNA存在下の反応でもトリプトファンに選択的に高収率で修飾が起きることは、当初の想定よりも本反応の選択性が高いことを示している。反応は温和な酸化条件であるが、副反応となる酸化は観測されなかった。本知見から、特別な注意や新たな反応条件を開発しなくても、この先の変換を検討すればよいことが分かり、当初計画よりも進展していると評価できる。

今後の研究の推進方策

トリプトファン修飾体の活性化を経る、さらなる構造変換法の開発に研究の焦点を移す。修飾体に光酸化還元触媒などを用いて、エネルギー移動を起こし、炭素ー酸素結合の開裂を伴う新反応の発見を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

思った以上に研究がスムーズに進捗し、余力を残したまま次年度に研究を進めることができたため。本予算を活かして、トリプトファンの化学選択的な多段階変換法を開発して行く予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 金井研HP

    • URL

      https://gousei.f.u-tokyo.ac.jp/index.html

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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