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2023 年度 実施状況報告書

一細胞遺伝子発現データを用いた細胞個別化制御手法

研究課題

研究課題/領域番号 23KF0243
研究機関京都大学

研究代表者

阿久津 達也  京都大学, 化学研究所, 教授 (90261859)

研究分担者 SUN LIANGJIE  京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-11-15 – 2026-03-31
キーワード自己符号化器 / 遺伝子ネットワーク / ニューラルネットワーク / 遺伝子発現 / ブーリアンネットワーク / ReLU関数
研究実績の概要

様々なデータから特徴を自動的に抽出しベクトル化するためにニューラルネットワークの一種である自己符号化器が広く用いられている。自己符号化器は遺伝子発現データからの特徴抽出、さらには、遺伝子発現データからの細胞分類などにも有用であると考えられる。そこで、本研究では自己符号化器に関する基礎的な研究として、そのデータ圧縮能力と必要な頂点数の関係性について理論解析を行った。研究代表者らによる以前の研究において、活性化関数として線形閾値関数を用いた場合については解析されていたが、今回はより広く利用されているReLU(Rectified Linear Unit)関数を活性化関数として場合について研究を行った。その成果として、以下の結果を理論的に導くことができた。
(1) 線形閾値関数を用いた場合は0,1からなる2進数ベクトルしか対応できなかったが、ReLU関数を用いることにより実数ベクトルに対する自己符号化器の解析が可能となった。その結果、圧縮率と必要頂点数の関係を大きく変えることなく、以前の結果を実数値ベクトルに対応するモデルに拡張することができた。
(2) ReLU関数を用いることにより、線形閾値関数の場合では不可能であった、1次元のベクトルデータにまで圧縮することが可能であることを示した。
(3) 実数ベクトルにおける圧縮能力の比較のために線形関数を活性化関数として用いた場合にも理論解析を行い、ReLU関数を用いる方がより高い圧縮が可能であることを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年11月に研究を開始したばかりであるが、まとまった理論的成果が得られるなど研究は順調に進展している。なお、当初の計画では遺伝子ネットワークの推定法を先に研究する予定であったが、以前に共同研究を行っていた自己符号化器の研究を進展させ完成させることが重要であると判断したので、研究の順番を変えて、自己符号化器の研究を優先することとした。

今後の研究の推進方策

自己符号化器の理論解析において入出力が完全に一致する場合を検討してきたが、それでは大量の頂点が必要となることが判明しつつある。その問題点に対処するために、研究代表者らの以前の研究において誤差を許した場合を検討していた。しかしながら。頂点数を大幅に削減することはできなかった。そこで、より多くの誤差を許した場合について検討を進め、必要とする頂点数を大幅に削減することを試みる。また、当初の計画にあげていた、1細胞遺伝子発現データからの遺伝子ネットワークの推定法や制御法についても検討も開始する。

次年度使用額が生じた理由

当初は特別研究員のために新たにパソコンを購入する予定であったが、本年度の研究については特別研究員が所有していたパソコンで十分に対応できることがわかったため、次年度以降に必要に応じて高性能パソコンを購入することにした。旅費については海外出張に利用したが、想定していた金額より安価に済んだため、残りの分を次年度以降の旅費として利用することにした。

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公開日: 2024-12-25  

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