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2023 年度 実施状況報告書

高二酸化炭素濃度による樹木通水要素間の壁孔壁微細構造の変化と乾燥耐性への影響

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0003
研究機関北海道大学

研究代表者

井上 紗葉璃  北海道大学, 農学研究院, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
キーワードAnatomical Plasticity / Drought Stress / CO2 Enrichment / Pit Membrane / Ecotypic Variation
研究実績の概要

本研究では、Assisted migrationを念頭に、気候変動に適応する森林を構築するために必要な知識や技術の獲得と提供を目指している。
Lakehead大学、チンライ・ダング博士(Dr. Qing-Lai Dang)との共同研究として実施しており、本年度7月よりカナダ、サンダーベイにてグリーンハウス実験を行った。本研究では苗木を使用した実験Iと収集した挿し木を使用した実験IIを実施した。二酸化炭素濃度([CO2])と土壌中の水分状態が木部構造に与える影響を解明するため、三種のPopulus balsamiferaエコタイプ(実験I :Thunder Bay(TB)(48.38°N, 89.25°W)、Peace River(PR)(56.13°N, 117.26°W)、Zama City(ZM)(59.15°N, 118.7°W)、実験II:TB、PR、Hay River(HR)(60.50°N, 115.46°W)を2つの[CO2](400と1000ppm)および2つの水分条件(飽和と水ストレス状態)で5ヶ月間育成した。生理学と形態的応答のデータ収集、解剖学的応答の測定用木部サンプル収集は完了している(実験IIは、TBエコタイプの挿し木が開葉しなかったため、PRとHRエコタイプのみ)。
更に、Lakehead 大学のアシュリー・トムソン博士(Dr. Ashley Thomson)との共同研究として、大学が所有するCommon Garden 実験林にて、異なるPinus banksianaの遺伝子型間の形成層フェノロジーの反応の調査のため、実験区からコアサンプルを収集した。この研究では、6つの遺伝子型を選択し評価の対象としている。サンプル採取は秋期と春期に行う。令和5年度には、秋期9月から10月にかけてのコアサンプリングが終了している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していた、実験の実施とデータの収集がスケジュール通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

現在は、Lakehead 大学のCommon Garden 実験林にて春のコアサンプリングを実施している。7月~8月の帰国を目指し、グリーンハウス実験とCommon Garden から収集したサンプルをカナダから日本へ送るために必要な証明書の取得と規定に沿った梱包などを含む準備を入念に行う。また、グリーンハウス実験で得たデータ(生理学と形態学的応答)の整理と分析を行う。帰国後は、北海道大学・共同実験棟の改修工事により走査電子顕微鏡の使用ができないことを考慮し、サンプルの準備を行っていく。グリーンハウスから収集したサンプルの顕微鏡による観察は翌年となる予定。グリーンハウス実験で得られた生理学・形態学のデータは随時分析を行い、原稿執筆に向けて準備をしていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] Lakehead University(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      Lakehead University

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公開日: 2024-12-25  

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