研究課題/領域番号 |
23KJ0146
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
NGUYEN THI THU HUYEN 東北大学, 国際文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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キーワード | 論語 / 漢文読解 / チュノム解釈 / 加点資料 / 固有名詞(朱引) |
研究実績の概要 |
当初の研究計画に従い、今年度はベトナム国内に現存する『論語』の注釈書の全体像を把握するために、漢喃研究院および社会科学アカデミー図書室、ハノイ国家図書館で資料調査を行ない、書誌情報をデータ化した。 さらに、チュノム解釈付きの『論語』注釈書である『論語約解』を対象に、ベトナム語による漢文読解を分析した。具体的には『論語約解』の衛霊公篇のチュノム解釈部分を詞、句、文の3つのレベルに分け、それぞれのレベルで漢文本文にチュノム解釈がどのように対応しているのかを分析し、その成果を『訓点語と訓点資料』第151輯(2023年09月30日発行)に公表した。 また、『論語約解』と『論語節要』(ベトナムで編集された論語注釈書)の中の固有名詞が朱引によってどのように識別され、ベトナム語によってどのように読解されているのかを分析し、日本の訓点資料の朱引と比較した。その成果を第129回訓点語学会研究発表会(2023年10月22日、東京大学)で発表し、その内容を英語論文としてSungkyun Journal of East Asia Studiesに投稿した(査読結果待ち)。 また、ベトナムの加点についてHandbook of Glossing Workshop(2023年09月28日~29日、アイルランド・ゴールウェイ大学)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ベトナム国内(主にハノイのにある図書館)に現存する『論語』注釈資料を主要資料として実地調査を行い、『論語』注釈書の全体像を把握し、書誌情報を入手した。ベトナム語による漢文読解を解明するために、学習者による書き込みの分析は完了したが、チュノム解釈及び漢文注の分析については継続中である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の調査で入手したデータを活用し、チュノム解釈や漢文注の分析を継続し、『論語』注釈書を使ったベトナム語による漢文読解の解明を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究打合せが、先方の都合により、当初の予定より2日短縮したため。 次年度は繰り越した金額を含めて、当初の予定通り適正に執行する。
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