研究実績の概要 |
令和5年度の目標は、オスマン帝国陸軍について研究するための基盤を構築することであっ た。この目標に基づき、夏にトルコ共和国アンカラの国防省文書館、陸軍士官学校文書館での研究を申請し、前者については許可を得てその成果は永島 育「はじめて日本語を学んだ土耳其軍人」日本トルコ交流協会講演会(東京大学東洋文化研究所)2023年11月11日に結実したが、後者については陸軍からの許可を得ることが出来なかった。しかし陸軍士官学校文書館員との協力関係を構築できたため、来年度には同文書館を利用できる可能性がある。 通常のオスマン帝国史研究者が訪れる文書館(オスマン文書館)での調査は問題なく行え、取得した史料の分析に集中し、一部成果についてはNagashima, Iku, From Loyalty to Merit: Changes in Military Uniforms and Self-Images of Ottoman Young Officers on the Eve of the Young Turk Revolution,Turkologentag 2023 (Vienna), 22/9/2023で公表できた。なお、陸軍を研究する際には将校が残した回想録等の自分語り史料の利用が必須だが、その分析手法についての検討は永島 育「回想録」東洋文庫研究部イスラーム地域研究資料室HP内「オスマン帝国史料解題」2023年5月に結実した。また、軍事史において兵器について深く理解することが必要だが、これに関する分析はNagashima, Iku, A Preliminary to a Comparative Study of Turkish and JapaneseArchery, Workshop: Military Elites in the Early Modern Islamicate World and Beyond(The University of Tokyo), 20/1/2024で成果を公表した。
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