研究課題/領域番号 |
23KJ0344
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安垣 進之助 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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キーワード | マウス / 睡眠 / 疼痛 / 遺伝学 |
研究実績の概要 |
疼痛,特に慢性疼痛をもたらす神経基盤の解明はこれまでにも試みられてきたが,その全貌は明らかでない.一方,睡眠障害は慢性疼痛を増悪させ,慢性疼痛は睡眠の質を下げることをふまえると,慢性疼痛の神経基盤を研究していく上で,睡眠という観点からのアプローチも不可欠である.そこで本研究では,慢性疼痛に対してレム睡眠がどのように作用しているかについて明らかにするとともに,内分泌系にも注目し,慢性疼痛とレム睡眠とをつなぐ神経基盤へ迫ることを目指している. 当該年度は,はじめに,マウスの慢性疼痛モデルの確立を試みた.実験群では,対照群と比べ,疼痛誘発処置から数週間にわたって痛覚過敏症状を呈することが確認され,先行研究において扱われてきたような慢性疼痛モデルの確立に成功したと判断した.また,慢性疼痛モデルの睡眠の長期的な記録・解析にも着手した.マウスの慢性疼痛モデルでは睡眠に変化を生じることは知られているが,長期間にわたって予後を追跡した例はない.本研究では,最大6週間にわたり,慢性疼痛モデルの睡眠を評価する.当該実験については,現在進行中であり,まだ結論には至っていないものの,得られたデータをもとに,次年度以降の研究計画も順次遂行していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの慢性疼痛モデルを確立し,その睡眠の長期的な記録・解析にも着手できた.また,研究成果の一部について国内学会で発表したり,査読付き英文総説(受理・掲載済)を発表したりすることもできた.以上のことから,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
マウスの慢性疼痛モデルの睡眠解析を進めるとともに,このモデルに対する睡眠操作や介入により生じる影響の検討など,引き続き,研究計画にしたがって順次遂行していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定よりも物品費が安く抑えられたため次年度使用額が生じた。これらの金額は、翌年度の物品費に充てる予定である。
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