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2023 年度 実施状況報告書

光ファイバ上の側圧や歪を分布計測可能な偏波光相関領域反射計の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0358
研究機関東京大学

研究代表者

野田 康平  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
キーワード光ファイバセンサ / 分布型光ファイバセンサ / 偏波 / ブリルアン散乱 / 複屈折
研究実績の概要

本年度では、偏波BOCDRを用いた三軸歪測定に向けて、BOCDRの性能向上と偏波計測システムの性能向上が必要であると考え、それぞれの課題に取り組んだ。まずBOCDRの性能向上に関しては、従来知られている空間分解能お理論値で表現されていなかった、印加歪に対する依存性を明らかにした(OFS-28で講演)。さらに、周期ノイズBOCDRを開発し、なめらかな歪分布の計測を行った。従来の正弦波変調BOCDRと新たに開発した周期ノイズBOCDRをビートスペクトル形状を手掛かりに比較した結果、前者はステップ状の歪分布に、後者はなめらかな歪部分布に対してそれぞれ適していることが明らかにし、それぞれの歪分布を計測可能な条件を示した。また、この研究はワイヤ駆動ロボットの研究者との共同研究も含み、プーリーに巻き掛けたワイヤの張力分布を計測し、指数関数状の張力分布が発生していることを実測した(CLEO 2024 アクセプト)。
一方、偏波計測システムの性能向上に関しては、既存の偏波OCDRの実験系は年度内に構築できず特に進捗は得られていない。また、新たな偏波計測の原理実証として考えていたアイデアの予備実験を行ったがその結果は予想と異なったため方針の再検討を行っている。
総括すると、BOCDRの性能向上に関する研究では周期ノイズBOCDRの開発とその有用性の確認が進展したが、偏波計測システムの性能向上に関しては課題が残る点もあった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

BOCDRの性能向上に関する研究では周期ノイズBOCDRの開発とその有用性の確認が進展したが、偏波計測システムの性能向上に関しては予備実験の結果を踏まえて方針を再検討中である。

今後の研究の推進方策

BOCDRの性能向上に関しては継続して行う。具体的には、まずBFSおよびBGS計測の精度について定量的な評価を行う。さらに、偏波計測との融合を視野に入れて、測定時間を短縮するためにブリルアン信号をダウンコンバートする局部発振器の掃引を工夫する。偏波計測としては、これまでに実証されている偏波分布計測の結果を複屈折分布計測へ拡張し、偏波OCDRで側圧測定を実証する。以上の改良を融合して、三軸歪分布計測の実現に向けて改良を重ねる。
また、現状のBOCDRは実験机に複数の光学デバイスを配置したシステムであり実環境での動作を試験することが難しいことが課題の洗い出しの足かせとなっていることを踏まえ、実験系の小型化および可搬化を外部の技術者との共同研究で推し進める

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] “Simplified correlation-domain LiDAR without long delay fiber,2024

    • 著者名/発表者名
      T. Kiyozumi, S. Yoshida, K. Noda, and Y. Mizuno
    • 雑誌名

      japanese journal of applied physics

      巻: 63 ページ: 038002

    • DOI

      10.35848/1347-4065/ad29d7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] “Systematic-error suppression in low-coherence Brillouin optical correlation-domain reflectometry2023

    • 著者名/発表者名
      K. Otsubo, G. Zhu, T. Kiyozumi, K. Noda, K. Nakamura, H. Lee, and Y. Mizuno,
    • 雑誌名

      scientific report

      巻: 13 ページ: 103435

    • DOI

      10.1038/s41598-023-44801-4

    • 査読あり
  • [学会発表] Continuous strain profiling with low-coherence Brillouin optical correlation-domain reflectometry2024

    • 著者名/発表者名
      K. Noda, R. Sugihara, S. Sadachika, A. Takata, K. Nakamura, G. Endo, Y. Mizuno, S. Set, and S. Yamashita,
    • 学会等名
      International Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO 2024)
    • 国際学会
  • [学会発表] Comprehensive evaluation of spatial resolution in Brillouin optical correlation-domain reflectometry2023

    • 著者名/発表者名
      K. Noda, H. Lee, K. Nakamura, and Y. Mizuno,
    • 学会等名
      28th International Conference on Optical Fibre Sensors (OFS-28)
    • 国際学会
  • [学会発表] 滑らかな歪分布に対するブリルアン光相関領域分布計測法の空間分解能の検討2023

    • 著者名/発表者名
      野田康平、李ひよん、水野洋輔、Sze Yun Set、山下真司
    • 学会等名
      応用物理学会第69回光波センシング技術研究会

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公開日: 2024-12-25  

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