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2023 年度 実績報告書

生理学的知見に基づく計算機モデルによるパーキンソン病の姿勢制御障害メカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0522
研究機関東京大学

研究代表者

尾村 優一郎  東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2024-03-31
キーワード姿勢制御モデル / 計算機モデル / 筋骨格モデル / パーキンソン病 / 異常姿勢
研究実績の概要

本研究の目的は生理学的知見に基づいた計算機モデルを用いて,ドーパミンの状態(分布・量)の変化による姿勢制御障害のメカニズム解明であった.まずヒトの身体を表す筋骨格モデルおよび,それを制御する神経系コントローラモデルからなる計算機モデルを用いて,パーキンソン病患者の異常姿勢を再現した.これによって,パーキンソン病患者の姿勢を再現可能な神経系コントローラモデルのパラメータ,特に筋緊張を表すパラメータを同定した.次に,ドーパミンの変化と姿勢制御障害の関係を明らかにするため,この筋緊張パラメータとドーパミンの状態との関係を,パーキンソン病において重要な大脳基底核に基づいた構造を持つ機械学習モデルを用いて表した.また,機械学習モデルを用いて予測した筋緊張パラメータを用いて,パーキンソン病患者の姿勢を再現することによって,機械学習モデルの妥当性を検証した.その結果,実際の被験者の異常姿勢を再現することができ,機械学習モデルが妥当であることが確認された.加えて,機械学習モデルに大脳基底核の構造を取り入れることは,ドーパミンの状態から筋緊張パラメータの予測という問題において,精度向上に寄与する可能性が示された.また,予測結果を解析することによって,パーキンソン病患者の姿勢制御障害において重要な筋緊張が,脳の小脳や後頭葉のドーパミンの量に対する,線条体のドーパミン量に影響されることが示唆された.これらの研究成果は,国際学術誌に投稿予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Analysis of abnormal posture in patients with Parkinson's disease using a computational model considering muscle tones2023

    • 著者名/発表者名
      Omura Yuichiro、Togo Hiroki、Kaminishi Kohei、Hasegawa Tetsuya、Chiba Ryosuke、Yozu Arito、Takakusaki Kaoru、Abe Mitsunari、Takahashi Yuji、Hanakawa Takashi、Ota Jun
    • 雑誌名

      Frontiers in Computational Neuroscience

      巻: 17 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fncom.2023.1218707

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Analysis of the Relationship Between Muscle Tones and Abnormal Postures in a Computational Model2023

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Omura
    • 学会等名
      Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society (EMBC)
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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