• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

新たな重力波データ解析手法で切り拓く強重力場の物理

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0694
研究機関東京大学

研究代表者

度會 大貴  東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
キーワード重力波 / 一般相対論 / 修正重力理論
研究実績の概要

本研究では、GRを超えた重力理論の構築を目指し、連星ブラックホール合体を源とする重力波データにGRからのズレが存在するかを調べ、ズレが存在する場合はそれらの物理的意味を明らかにすることを目標とする。具体的な手順は、GRからのズレを探査するのに適切な重力波モデルの作成、そのモデルを使った実データ解析、そして結果の物理的解釈、から成る。
本年度は、GRに基づいた連星ブラックホール合体からの重力波の理論モデルへ、GRからのズレを定量化する新たなパラメータを追加した修正波形モデルを作成した。この波形は追加したパラメータによる重力波放射の反作用を含んでおり、物理的に一貫したものとなっている。また、その波形を用いて、現在行われている、もしくは将来行われる重力波観測で得られるデータで、どれくらいの精度でGRが検証可能かを見積もった。それに加えて、先行研究で得られている特定の修正重力理論の重力波形を、我々の修正波形が再現可能であることもわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り研究目的のための理論波形を開発を達成し、その成果を発表した論文はPhysical Review Dに掲載受理されている。

今後の研究の推進方策

研究実績の概要でも述べたとおり、本研究は、GRからのズレを探査するのに適切な重力波モデルの作成、そのモデルを使った実データ解析、そして結果の物理的解釈、から成っている。本年度で一つ目のステップが達成されたため、来年度では二つ目のステップを達成することを目標とする。
まず、作成した修正重力波形を重力波解析ソフトウェアに対して使用可能な形に書き換え、きちんと作動することを確かめる。さらに、あらかじめ結果がわかっている人工的な重力波形を修正波形で解析する。様々条件を変えて行うことで、データ解析における修正波形の特性を理解し、GRからのズレの誤検出やパラメータ間の縮退を注意深く調査する。そのあとに、実データに対する解析を行う。本研究では、信号対雑音比が高いGW150914と呼ばれるイベントに対して解析を行うことを予定している。最後にこれらで得られた結果を、追加のエネルギー放射に焼き直すなど物理的に解釈し、論文にまとめる。

次年度使用額が生じた理由

本年度購入したノートブックパソコンが当初予想していた額よりも安かったため。こちらは本年度の旅費に使用させていただく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Physically consistent gravitational waveform for capturing beyond general relativity effects in the compact object merger phase2023

    • 著者名/発表者名
      Daiki Watarai
    • 学会等名
      JGRG 32
    • 国際学会
  • [学会発表] Physically consistent gravitational waveform for capturing beyond general relativity effects in the compact object merger phase2023

    • 著者名/発表者名
      Daiki Watarai
    • 学会等名
      Gravity and Cosmology 2024
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi