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2023 年度 実施状況報告書

AIボットの介入は集合知を生み出すか:計算論モデルと大規模集団実験の接続

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0879
研究機関東京工業大学

研究代表者

内藤 碧  東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特別研究員(CPD)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2028-03-31
キーワード集合知 / 文化進化 / 集団 / AIボット / 生成AI
研究実績の概要

今年度は、当初の計画通り5月から海外渡航を開始し、Carnegie Mellon University Human-Computer Interaction Instituteにて在外研究を行った。年度前半は主に実験実施に向けた準備を行ったほか、Summer Institute in Computational Social Science (SICSS-Tokyo)においてティーチングアシスタントとして参加した。年度後半からは、特別研究員CPDの採用に伴い、研究計画をより探索的な方向に修正し、AIボットという本研究の研究対象を生成AIに拡張する方向で研究構想の議論を重ねた。現在までに、オンライン集団実験に生成AIを用いたボットを導入する研究手法を新たに構築し、予備実験を実施した。この研究手法の提案は、Asian Advanced Workshop on Social Decision Making and Collective Intelligenceにおいて発表済みである。
また、Carnegie Mellon Universityにおける在外研究と並行して、国内受入先研究室との議論もオンラインで継続的に行い、AIチャットボットが集団形成に及ぼす影響についての実証研究の予備実験を実施した。
その他、本研究計画の着想のもととなった昨年までの研究を取りまとめ、筆頭著者として1件(Interdisciplinary Information Sciences誌)、共著者として2件(Scientific Reports誌、PsyArXiv)の国際共同研究論文が公刊された。また、公益財団法人サントリー文化財団若手研究者のためのチャレンジ研究助成中間報告会では、進行中の研究についての報告を行い、国内外で活躍する人文・社会系の若手研究者を中心に、新たな視点からのフィードバックが得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

今年度の研究は当初の計画に記載の通りCarnegie Mellon Universityと東京工業大学において研究テーマに即した実験を順調に進行しつつ、生成AIの普及という現在進行形の社会状況に即した柔軟な研究を展開できていることから、研究計画を上回る研究の進展があったといえる。また、特別研究員CPDの趣旨である国際的な研究競争力をつけるためのアウトリーチ・ネットワーキング活動も十分行うことができていると考える。

今後の研究の推進方策

今後の研究では、本研究計画のテーマである集合知とAIに関する大規模実験の実施を中心に進める。すでにオンライン実験の研究倫理審査・実験環境の構築・基本的な分析手法の確立は済んでおり、現在実験方法の妥当性を確認するためのパイロット実験を実施している途中である。また、実験と並行して実在の公開プラットフォーム上でのユーザー行動を対象としたデータ分析についても、カーネギーメロン大学の研究者と連携して今年度中に実施予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、研究費申請後のAIをめぐる大規模な社会変容が発生したこと(例:ChatGPTなどの生成AIの一般公開)により、従来の研究方法にとって最新のAIの特性を考慮した議論を再構築する必要が生じたと判断したことから、半年ほど研究内容と研究方法の再検討を行い、実験実施をその分だけ後ろ倒しにする必要が生じたためである。
次年度使用額の使用計画としては、上記の通り実施を後ろ倒しにした実験を実施し、繰越分の全額を実験参加者への謝金として支出する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Collective Intelligence under a Volatile Task Environment: A Behavioral Experiment Using Social Networks and Computer Simulations2024

    • 著者名/発表者名
      NAITO Aoi、MASUDA Naoki、KAMEDA Tatsuya
    • 雑誌名

      Interdisciplinary Information Sciences

      巻: 30 ページ: 1~12

    • DOI

      10.4036/iis.2023.R.03

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Accordance and conflict between religious and scientific precautions against COVID-19 in 27 societies2023

    • 著者名/発表者名
      Samore Theodore, Fessler Daniel M.T., ... Aoi Naito, ..., Wang XT
    • 雑誌名

      PsyArXiv

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.31234/osf.io/kr75f

    • オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Greater traditionalism predicts COVID-19 precautionary behaviors across 27 societies2023

    • 著者名/発表者名
      Samore Theodore, Fessler Daniel M.T., ... Aoi Naito, ..., Wang XT
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 ページ: 4969

    • DOI

      10.1038/s41598-023-29655-0

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Development of novel methodologies to investigate how AI will deflect cultural evolution2023

    • 著者名/発表者名
      Aoi Naito & Hirokazu Shirado
    • 学会等名
      Asian Advanced Workshop on Social Decision Making and Collective Intelligence
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] Aoi Naito

    • URL

      https://naito-aoi.github.io/

  • [備考] 内藤 碧 (Aoi Naito)

    • URL

      https://researchmap.jp/aoinaito

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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