研究課題
項目(1) 211At標識フェニルアジドによる治療の適用範囲の探索と応用(採用前~1 年目後半)一般的に広く利用されているヒト肺がん細胞株を異種移植したモデルマウスに対し、211Atで標識したフェニルアジドを用いて治療試験を行った結果について、国際誌に論文を提出したが、査読者から追加実験を要請されたため、細胞実験や安定性に関する実験を行い、本年度中に論文化した。今後はがんに特異的に大量に発現したトランスポーターをターゲットとする既報の放射性治療分子にアジドを付与した研究1(b)の分子、および細胞内移行性のペプチドにフェニルアジドを付与した研究1(c)の分子の開発に着手し、ヒト肺がん細胞株を異種移植したモデルマウスを用いた動物実験を行う他、211At標識フェニルアジドについては当細胞株以外の多種のがんを対象とした治療効果の検証を行う。項目(2) 225Ac標識フェニルアジドによる治療効果の評価(採用前~1 年目後半)一般的に広く利用されているヒト肺がん細胞株を異種移植したモデルマウスに対し、111In, 90Yで標識したフェニルアジドを合成および投与することで、がんのイメージング・治療に成功し、本年度中に論文化し、国際誌に論文を提出したが、こちらも査読者から追加実験を要請されたため、細胞実験等を行い、本年度中に論文化した。今後は225Acを用いて治療効果を検証する。
1: 当初の計画以上に進展している
211At、111In、あるいは90Yで標識したフェニルアジドを用いた研究について、本年度中に合成実験や細胞実験、および動物実験による評価を行い、イメージングや治療を達成した。この間、3本の査読付き論文を投稿し、2本が受理されている。また、国際学会2件を含む合計4件の学会発表を行った。これらの研究成果は当初の予定を上回っているため、「当初の計画以上に進展している」とした。
項目(1) 211At標識フェニルアジドによる治療の適用範囲の探索と応用(採用前~1 年目後半)今後はがんに特異的に大量に発現したトランスポーターをターゲットとする既報の放射性治療分子にアジドを付与した研究1(b)の分子、および細胞内移行性のペプチドにフェニルアジドを付与した研究1(c)の分子の開発に着手し、ヒト肺がん細胞株を異種移植したモデルマウスを用いた動物実験を行う他、211At標識フェニルアジドについては当細胞株以外の多種のがんを対象とした治療効果の検証を行う。項目(2) 225Ac標識フェニルアジドによる治療効果の評価(採用前~1 年目後半)今後は225Acを用いて治療効果を検証する。項目(3) 211At標識分子の糖鎖アルブミン取込による保護と脳腫瘍治療効果の評価(2年目中)既に合成した211At標識クマリンについて、取込条件の開拓とその安定性、脳腫瘍治療効果の評価を行う。
すべて 2024 2023 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
Chemical Communications
巻: 60 ページ: 3291-3294
10.1039/D4CC00048J
Chemical Science
巻: 14 ページ: 8054-8060
10.1039/D3SC02513F
http://www.noritanaka-cap.mac.titech.ac.jp/