研究課題/領域番号 |
23KJ0979
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
柳田 翔平 一橋大学, 大学院経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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キーワード | ブラックボックス / 過剰反応 / 公理 / 信念 / 学習 |
研究実績の概要 |
ブラックボックスからの学習と過剰反応について、公理的分析を行なった。特に、過剰反応を表現する信念改訂ルールをモデル化し、それに対して公理的な特徴づけを与えた。表現定理は4つの公理から構成される。これらの公理はそれぞれ、①信念の長期的な挙動に関する公理、②信念の整合性に関する公理、③信念改定ルールの不動点に関する公理、④予想外の情報に対する信念改訂のパターンに関する公理に対応する。過剰反応に関する分析をするにあたり重要になるのが公理④であるが、本研究では公理④おいて過剰反応を直接的に要請することなく、予想外の情報に対する過剰反応を特徴づけることに成功した。この結果から、信念改訂の規範的側面を記述した公理①、②、③が、意思決定者の過剰反応を促している可能性がある。 この結果を踏まえて、本研究ではさらに公理③を弱めた場合の信念改訂ルールがどうなるのかを検討した。公理③を弱めるモチベーションは、当該公理の規範的な正当化が公理①、②と比べて十分でないためである。分析の結果、公理③をかなりの程度一般的に弱めた場合でも、意思決定者は予想外の情報に対して過剰反応することが示された。 以上の結果を東京理科大学で開催されたワークショップで報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標としていた公理化と、その一般化を達成できたため。また、当該結果を学外ワークショップで報告し、研究の改訂につながる有益なコメントを複数得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
ブラックボックスからの情報に対して過小に反応するパターンも包含する、より一般的な公理的特徴づけを行なう。このような一般化は既に部分的には完了しているが、公理がやや技術的であり、どのようなメカニズムで情報に対する過小反応が生じるのか直感的にはよくわからない。当該公理をより直感的なものに修正することで、過剰反応と過小反応の両方を表現するモデルの公理化と、その発生メカニズムの解明を行なう。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行にあたり必要な物品について見直しを行なったところ、当該年度については物品費を減らすことができると判明した。次年度使用額は、学外研究報告の旅費に充てる計画である。
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