研究課題/領域番号 |
23KJ1038
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
冨士 大輔 山梨大学, 医工農学総合教育部, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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キーワード | 多環状ペプチド / Nアルキルペプチド / PUREシステム / 遺伝暗号拡張技術 / in vitro virus / mRNAディスプレイ / SELEX / Directed evolution |
研究実績の概要 |
天然物を模倣した新規多環状Nアルキルペプチドの合理的設計と探索および機能解析を目指して、まず、合理的設計に基づく多環状ペプチドの探索および機能解析を試みた。具体的には、大腸菌由来の再構成型のin vitro転写・翻訳共役システム(Protein synthesis Using Recombinant Elements system, PUREシステム)と遺伝暗号拡張技術(genetic code expansion)とin vitro virus (mRNAディスプレイ)法を用いて調製した数兆種類の多環状ペプチドのDNAコード化ライブラリー(DEL)からの分子進化工学的スクリーニング(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment、SELEX)を行い、NGS解析を行なった。その結果、がんや自己免疫疾患、脂質異常症、アレルギー性疾患等に関わる創薬標的タンパク質に対する完全新規の多環状ペプチドを複数同定することに成功した。また、同定した新規多環状ペプチドが、標的タンパク質間相互作用を阻害すること、標的タンパク質発現細胞内のリン酸化シグナルをアンタゴナイズすること、標的タンパク質発現細胞のリガンドタンパク質依存的な細胞増殖を阻害することも発見した。更に、同定した多環状ペプチドの二量体が、標的タンパク質二量体化依存的に増殖するヒトiPS細胞の未分化維持増殖を促すアゴニスト活性を有することも発見した。本研究成果は、日本薬学会第144年会で成果発表を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大腸菌由来の再構成型のin vitro転写・翻訳共役システム(Protein synthesis Using Recombinant Elements system, PUREシステム)と遺伝暗号拡張技術(genetic code expansion)とin vitro virus (mRNAディスプレイ)法を用いて調製した数兆種類の多環状ペプチドライブラリーからの分子進化工学的スクリーニング(SELEX)を行い、NGS解析を行なった結果、新規の多環状ペプチドを同定することに成功し、同定した新規多環状ペプチドが、標的タンパク質間相互作用を阻害すること、標的タンパク質発現細胞内のリン酸化シグナルをアンタゴナイズすること、標的タンパク質発現細胞のリガンド依存的な細胞増殖を阻害することも発見したため。更に、同定した多環状ペプチドの二量体が、標的タンパク質二量体化依存的に増殖するヒトiPS細胞の未分化維持増殖を促すアゴニスト活性を有することも発見したため。そして、本研究成果を、日本薬学会第144年会で成果発表を行なったため。
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今後の研究の推進方策 |
天然物を模倣した新規多環状Nアルキルペプチドの合理的設計と探索および機能解析を目指して、大腸菌由来の再構成型のin vitro転写・翻訳共役システム(Protein synthesis Using Recombinant Elements system, PUREシステム)と遺伝暗号拡張技術(genetic code expansion)とin vitro virus (mRNAディスプレイ)法を用いて調製した数兆種類の多環状ペプチドライブラリーからの分子進化工学的スクリーニング(SELEX)を行い、NGS解析を行なった結果、新規の多環状ペプチドを同定することに成功した。また、同定した新規多環状ペプチドが、標的タンパク質間相互作用を阻害すること、標的タンパク質発現細胞内のリン酸化シグナルをアンタゴナイズすること、標的タンパク質発現細胞のリガンド依存的な細胞増殖を阻害することも発見した。更に、同定した多環状ペプチドの二量体が、標的タンパク質二量体化依存的に増殖するヒトiPS細胞の未分化維持増殖を促すアゴニスト活性を有することも発見した。そこで今後は、天然物を模倣した新規多環状Nアルキルペプチドの合理的設計と探索および機能解析を目指して、合理的設計に基づく多環状Nアルキルペプチドの探索および機能解析を試みていく予定である。
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