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2023 年度 実施状況報告書

ヒレに注目した力学モデルと形態・行動計測を用いたクジラ類の姿勢安定性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1113
研究機関名古屋大学

研究代表者

岡村 太路  名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
キーワード鯨類 / ヒレ / 形態
研究実績の概要

本年度は、鯨類の3Dモデルの作成と数値流体解析の技術の確立と構築化を目標とした。結果的に、4種の鯨類について3Dモデルを作成し流体解析を実施できた。このうち、2種は座礁した個体について、自らが現地で3Dスキャンおよび外部形態計測したデータをもとに作成した解像度が高いものである。この際、3Dモデル作成に必要なスキャンデータの補正技術を新規に構築したその後、作成したモデルについて、数値流体解析を実施して、ヒレを含む体の姿勢安定性を計算した。その結果、種によってヒレの姿勢安定性への寄与が異なっていることを明らかにした。現在、鯨類の外部計測データを先行研究から収集し系統樹に当てはめるなどをして、鯨類におけるヒレの機能の進化的な背景を固めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の目標である立体構築と解析は実施できた。3Dモデルに必要となる研究資料も博物館に協力いただき、入手することもできている。順調な進捗と言える。ただし、作成した種の系統関係を考慮すると、これまで注視していた力学的な機能だけでは進化的な背景を説明しきれないことも示唆されつつある。これを明らかにするには、更なる系統を網羅した多くの種での比較検討及び、生理学的な知見の取得と並行した解析が課題であるが、共同研究者と協力して、これらの方針の目処はついているため。

今後の研究の推進方策

昨年度に取得した技術をもとに、座礁鯨類の3次元モデリングと姿勢補正、流体解析の一連の流れを種数を増やして加速させていく。さらに、2024年度はヒレ内部血管系の解析も追加して、力学的な機能と生理学的な機能を俯瞰することで、ヒレの機能理解の解像度を上げるとともに進化的な由来の理解に迫る。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、流体解析用のコンピューターの購入を検討していたが、共同研究者のコンピューターで解析できるようになったため。今年度は、沿岸の鯨類の漂着数が例年よりも少なかったが、来年度が今年度と同様であるとは限らないために、次年度の使用額を増やした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 鯨類における背ビレとはなにか?:背ビレの有無や折れ曲がりが姿勢安定性に及ぼす影響評価2023

    • 著者名/発表者名
      岡村 太路, 前田 将輝, 依田 憲
    • 学会等名
      日本進化学会

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公開日: 2024-12-25  

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