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2023 年度 実施状況報告書

マイノリティ政策と市民社会の政治的代表:韓国・地方自治体の外国人支援政策を事例に

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1150
研究機関京都大学

研究代表者

寺下 和宏  京都大学, 公共政策教育部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
キーワード政治的代表 / 市民社会 / フェミニズム / 女性団体 / 移民 / 計量テキスト分析
研究実績の概要

2023年度は韓国の地方議会においてどんな「女性」の利益が代表されているのかを計量テキスト分析で明らかにした。この際、韓国の広域自治体の議会議事録をすべて収集して分析を行った。
また市民社会側の代表を捉えるために、新聞記事を用いた抗議イベント分析を行った。具体的には韓国における一般紙、地方紙の「社会運動」関連記事を網羅的に収集し、機械学習で分類することで新聞記事のうち抗議イベントを報じているものか、そうでないかを判断した。この際、ネイティブスピーカーにあらかじめ手作業での分類を依頼し、この分類データに基づき学習を行うことで高い精度で韓国の市民社会の活動を把握した。
以上によって特定した抗議イベントの主張を捉えるために、準教師つき学習モデルを用いて記事の内容を分類した。これにより、どのような抗議行動が「移民」や「女性」を代表しているのかを判断した。以上は現在も分析中であり、2024年7月に開催される国際会議で発表予定である。
また議会、政策、市民社会に関する資料収集および関係団体へのインタビューの打ち合わせを実施するために、韓国への現地調査を行った。現地調査によって移民政策に関する資料および議会のデータを収集しただけでなく、2024年度に実施予定のインタビューのための打ち合わせを終えることができた。
さらに2024年3月からは延世大学政治外交学科に訪問研究員として在籍し、大学図書館やデータベースを利用して効率的に資料・データ収集を進めることができた。2024年度以降も在籍し、現地の研究者との研究課題に関する討論、意見交換を実施する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、地方自治体の議会議事録および政策資料と市民社会の活動に関するデータを概ね収集できた。収集したデータとその分析結果は随時、国内外の学会にて報告しており、2024年度中にも国内外の学術雑誌に論文を投稿する予定である。
それだけでなく、2024年度に実施予定のインタビューのためのコネクションおよび研究環境の整備も順調に進んでいる。具体的には、女性団体関係者との懇談を実施し、新たなコネクションを開拓しただけでなく、2024年度中の在外研究の滞在先となる延世大学政治外交学科の研究室と交流した。実際に2024年3月から韓国の延世大学政治外交学科に訪問研究員として滞在しており、大学のリソースを活用して研究課題を遂行できている。

今後の研究の推進方策

2024年4月時点で、韓国・延世大学(外国の研究機関等)にて研究課題を遂行している。韓国には引き続き2025年2月まで滞在し、当初予定通り、現地でしか入手できない移民政策に関する資料や女性団体、外国人支援団体に関する資料を収集する。また自治体関係者および団体関係者へのインタビューも実施し、自治体間で政策成立・実施の差異が生じる要因を検討する。
さらに2023年度に入手したデータを整理、分析し、自治体間で移民政策に違いが生じる要因を市民社会の政治的代表の観点から検討する。自治体、市民社会の各データから導き出される知見に関しては、学会報告したことを踏まえ、2024年度中に国内外の学術雑誌に投稿する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)

  • [学会発表] Inheriting Negative History: Feminist Movements and the Transformation of Red-light Districts in South Korea2024

    • 著者名/発表者名
      Terashita, Kazuhiro
    • 学会等名
      28th edition of Alternative Futures and Popular Protest
    • 国際学会
  • [学会発表] Measuring News Bias in the Coverage of ‘Women’s Organizations’: A Comparative Latent Semantic Scaling Analysis in South Korea and Japan2024

    • 著者名/発表者名
      Terashita, Kazuhiro
    • 学会等名
      8th Annual Association for Research on Nonprofit Organizations and Voluntary Action(ARNOVA) Asia Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Does Feminism Represent 'Immigrant Women'?: Examining the Political Representation of Feminist Protests in South Korea Using Protest Event Analysis2024

    • 著者名/発表者名
      Terashita, Kazuhiro
    • 学会等名
      International Society for Third Sector Research 16th International Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 女性団体・運動は女性の実質的代表に影響を与えるのか:韓国の議会議事録を用いた実証分析2023

    • 著者名/発表者名
      寺下和宏
    • 学会等名
      日本選挙学会2023年度総会・研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] パネル:日本の政治・社会におけるジェンダー不平等と女性運動・女性団体:アンケート調査の結果から2023

    • 著者名/発表者名
      寺下和宏
    • 学会等名
      日本NPO学会第25回年次大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 韓国における政治イベントと抗議行動:Semi-automated Protest Event Analysisによる検討2023

    • 著者名/発表者名
      寺下和宏
    • 学会等名
      日本政治学会2023年度研究大会
    • 招待講演
  • [学会発表] Who Represents 'Immigrant Women'?: An Empirical Evidence from Local Council Proceedings in South Korea2023

    • 著者名/発表者名
      Terashita, Kazuhiro
    • 学会等名
      Korean Political Science Association 2023 Annual Meeting
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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