研究課題/領域番号 |
23KJ1209
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小見山 遥 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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キーワード | マグノン / マイクロ波 / 光 / 量子情報 / 微細加工技術 / 強磁性体 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、円盤状の強磁性絶縁体を用いることにより、光-マグノン間結合強度を増強し、高効率なマグノン媒介光-マイクロ波変換を達成することである。 令和5年度は、円盤状強磁性絶縁体の作製工程の確立および作製した円盤状強磁性体が持つマグノンの評価を行った。また作製した円盤状強磁性体の側面に局在する光のモードの評価を試みた。 まず、円盤状強磁性絶縁体の作製に関しては、レジストを塗布した磁性体薄膜に対してリソグラフィーを施したのちにドライエッチングを行うことにより膜厚 800 nm 、直径 100 μm の円盤を作製することを達成した。 次に作製した円盤状強磁性体に対して、プレート基板を用いてマイクロ波を印加することでマグノンの評価を行った。また、マイクロ波を印加しながら円盤側面に光を導入することを見据えてルチル製のマイクロ波共振器を用いたマグノン評価測定系も立ち上げた。 最後に円盤状強磁性体の側面に局在する光のモードの評価のため、テーパーファイバーおよび導波路を用いた測定系の立ち上げを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた通り、円盤状強磁性体の作製と作製した円盤が持つマグノンの評価を達成した。得られた結果は、円盤状強磁性体は光-マグノン間結合強度およびマグノン媒介マイクロ波―光変換効率を改善する舞台になりうることを示している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も本研究を引き続き行う。まず、テーパーファイバーを用いた円盤状強磁性体の光のモードの評価を行う。その後、これまでの測定系を組み合わせてマグノン媒介マイクロ波―光変換実験を行う。円盤状の強磁性体を用いることでスピン数が減り、マグノン媒介光-マイクロ波変換効率が向上することを実証する。またその後は、円環状磁性体を用いてさらにスピン数を下げることで高効率の光-マイクロ波変換を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初はマグノン媒介マイクロ波ー光変換測定系を立ち上げるための物品を購入する予定であったが、次年度に購入をすることにしたため。
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