研究課題/領域番号 |
23KJ1462
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三野 星弥 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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キーワード | 対話ロボット / 他者情報 / 対話意欲 / プライバシー / 人間関係 |
研究実績の概要 |
本研究では,人が意欲的に対話をし続けたいと思う他者情報共有ロボットの実現を目指している.これに対し,まず,ユーザがロボットに対してどのような内容なら自己開示して良いと考えているかを予測する対話意欲モデルを構築し,この成果を国内学会で報告した.そして,この対話意欲モデルを参考にして,相手との関係性の深化に伴って徐々に話題を深くしていく対話戦略を提案し,10日間におよぶ実証実験を通して,本提案対話戦略がユーザの自己開示を効果的に引き出せることを検証した. また,20名規模のコミュニティに対話ロボットを導入し,ロボットがコミュニティに属する人々の情報を共有することで,メンバー間の関係構築ができるかの検証を行った.具体的には,事前に作成したコミュニティの人間関係マップをもとに,特に関係性が浅い2者に焦点を当て,ロボットによる他者情報共有効果を検証した.その結果,本提案ロボットが人同士の関係構築に寄与したという結果が得られ,この成果を論文誌で発表した. さらに,ユーザのプライバシーを考慮した対話機能を実現するために,ユーザが対話エージェントに情報提供する際の安心感を高める対話戦略を提案した.具体的には,ユーザ情報の利用範囲について対話エージェントが,ユーザから事前包括同意を得るだけでなく,対話後に情報提供同意について再確認を行うという対話戦略を提案した.そして,この成果を国際会議の口頭発表で報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
対話意欲モデルの構築およびプライバシーを考慮した対話戦略の提案を今年度に概ね完了し,研究開始時に予定していた計画を現時点でほとんど達成できた.加えて,対話意欲モデルをもとにしたユーザの自己開示を引き出す対話戦略の提案や,20名規模のコミュニティに他者情報共有ロボットを導入した実験まで行うことができたため,当初の計画以上に研究が進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,他者情報共有の前提となるユーザ情報の収集に焦点を当て,ユーザから多くの情報を引き出す対話戦略について重点的に調査する予定である.加えて,他者情報共有ロボットを様々なコミュニティに導入し,その有効性や課題について更なる検証を行っていくことを計画している.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初はロボット制御用PCと対話インターフェース用タブレットをそれぞれ購入する予定であったが,その二つの役割を担えるタブレット型PCを購入したため,次年度使用額が生じた.
次年度は,大規模な対話実験や機械学習用のデータ収集を行うことを計画しているため,それに必要なロボット周辺機器や謝金に研究費を充てることを予定している.
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