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2023 年度 実施状況報告書

腸の嗅覚受容体による寿命制御メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1645
研究機関広島大学

研究代表者

浮田 有美子  広島大学, 統合生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
キーワード嗅覚受容体 / 腸 / キイロショウジョウバエ
研究実績の概要

嗅覚受容体(Or)は外界の匂い分子を感知する一方で、多くの非嗅覚組織において体内の環境変化を感知することが明らかとなってきた。しかし、その機能が個体の生理状態にどのような影響を与えるかについてはほとんど不明である。本研究ではキイロショウジョウバエを用いて、腸のOrの機能が個体の生理状態および寿命に影響を与えるメカニズムについて解析を進める。当該年度では、ショウジョウバエの公共データベースを用いた解析から、腸で高発現するOrを同定した。またGal4/UASシステム(任意遺伝子のプロモーター活性により発現した転写因子Gal4が、標的配列UASに結合し下流の遺伝子を発現させる)を用いてOr発現解析を行ったところ、公共データベースの解析結果に反して腸でOrの発現はほとんど見られなかった。この原因として、用いたOr-Gal4系統におけるプロモーター活性が腸で不十分であることが考えられたため、Or-QF2ノックイン系統(Gal4/UASと同様のシステムで働くQF2/QUASを利用し、それぞれの嗅覚受容体遺伝子の下流に転写因子QF2をノックインすることで、内在のOr遺伝子の発現を完全に反映した系統)を確立し、腸のOr発現解析を行った。その結果、Or-Gal4系統では腸での発現を確認できなかったOrについて、Or-QF2ノックイン系統を用いることで腸での発現を確認することができた。またこのOr-QF2ノックイン系統と腸のマーカーを用いて腸のOr発現細胞の細胞種を同定し、その細胞でOrをノックダウンしたところ、Orが腸の発生に重大な影響を及ぼす可能性が明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

腸で高発現するOrについてOr-QF2ノックイン系統を確立することができ、また腸の発生に重大な影響を与えるOrを同定したため。

今後の研究の推進方策

確立したOr-QF2ノックイン系統を用いて詳細な発現解析を行うことで、Orが腸の発生に影響を与える時期を特定し、ノックダウンによってOr発現細胞がどのような挙動を示すかを調べる。また特定した発生ステージにおいてOrノックダウン個体を用いたRNA-seq解析を行い、Orが腸の発生を制御する分子メカニズムを同定する。腸の発生に影響を与えるOrについて、嗅覚での既知のリガンドを与えることで、腸の発生に影響が出るかを調べる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Akaluc/AkaLumine bioluminescence system enables highly sensitive, non-invasive and temporal monitoring of gene expression in Drosophila2023

    • 著者名/発表者名
      Ito Akira、Matsuda Nagisa、Ukita Yumiko、Okumura Misako、Chihara Takahiro
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 6 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s42003-023-05628-x

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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