本年度では、論文の内容を充実させるために、ロングリード解析を追加で行った。この再現実験により、トランスポゾンが多くのmRNAとキメラ遺伝子を作り、それをpiRNAが抑制しているという知見を強化することができた。 また、データ全体の再解析と整理を行った。本研究では得られたデータが膨大で多種類にわたるので、それぞれの解析の見直し、図の整理は重要である。 また、得られた結果が起こる原因の理論的考察を行った。それにより、実験から得られたpiRNAの抑制メカニズムが、酵素反応速度論で説明が十分に可能であることがわかった。これらの考察によって、piRNAがどのようにして変異しやすいトランスポゾンに対して、変異後も抑制できるのかという謎を説明することもできた。さらに、本研究からわかったpiRNAの抑制メカニズムがショウジョウバエやマウスのPiwiタンパクでも同様に成り立つことを示した。これらの結果をまとめ、論文執筆を行った。現在は論文を執筆し終え、投稿準備を行っている。
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