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2023 年度 実施状況報告書

アルマ、ジェームズウェッブとソフィア望遠鏡で探る宇宙再電離期の銀河の星間物理

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ2052
研究機関早稲田大学

研究代表者

任 毅  早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
キーワード宇宙再電離 / 星形成銀河 / 星間物質 / 高赤方偏移 / 輝線
研究実績の概要

本研究では、ALMA望遠鏡とジェームズウェッブ宇宙望遠鏡(JWST) を用いて、赤方偏移7.2の銀河SXDF-NB1006-2に対して多波長観測を行い、その銀河の諸性質を解明することを目指しています。令和5年では、以下の研究を行いました。
1.JWSTの近赤外線カメラと近赤外線分光器を使って赤方偏移7.2の銀河SXDF-NB1006-2を観測したデータを解析しました。データ解析の結果に基づいて、(1)酸素の静止系可視光の二階電離輝線と水素の再結合線のフラックスなどの性質を求めました。(2)スペクトルエネルギー分布フィットを行って、銀河の星質量、年齢、星形成率などの性質を求めて、潜在的な古い星成分の性質を見積もりました。(3)その銀河の中の異なるガスと星成分の分布を比べました。以上の研究結果の学術論文の原稿を作成していて、共同研究者たちと議論中です。
2.SXDF-NB1006-2について、波長52ミクロンの酸素の二階電離輝線をALMA望遠鏡で観測しました。データ解析の結果、その輝線は未検出でしたが、過去の研究で測定した星形成率と酸素の波長88ミクロンの二階電離輝線のフラックスを使って、その銀河の電離水素領域の電子密度と金属量に制限をつけました。その後、JWSTの新しい観測データが届いたので、それを使って星形成率の測定を更新し、電子密度と金属量の推定を更新することにしました。
現在、SXDF-NB1006-2の星形成率の測定を含むJWSTのデータ解析の論文を先に執筆中であり(上記の1)、それが完成した後、ALMAの52ミクロン輝線の論文をまとめて投稿する予定です。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1.昨年度に提出した研究実施計画に、酸素の52ミクロン輝線の解析がほぼ完了し、その論文を本年度に投稿することを書きました。しかし、本年度に届いたJWSTの新しい撮像と分光データの解析結果に基づいて、52ミクロン輝線のモデルフィットに使うパラメーターの星形成率を更新しないといけないことになりました。従って、52ミクロン輝線の解析と結果の分析が遅れてしまいました。また、共同研究者たちと相談した結果、データ公開の緊急性を考慮した上、JWSTのデータに関する論文の投稿を優先することになり、52ミクロン輝線に関する論文の投稿がさらに遅れてしまいました。
2.本年度にJWSTの近赤外線カメラのデータの解析結果だけを論文にまとめて投稿するつもりでした。しかし、銀河の性質をさらに精度良く見積もるために、近赤外線カメラのデータだけではなく、近赤外線分光器のデータもスペクトルエネルギー分布フィットに使用した方がいいです。本年度にJWSTの近赤外線分光器のデータが届いたら、共同研究者たちと相談した結果、近赤外線カメラと近赤外線分光器のデータの解析結果を一つの論文にまとめて次年度に投稿することになりました。

今後の研究の推進方策

1.次年度に、JWSTの近赤外線カメラと近赤外線分光器が銀河SXDF-NB1006-2を観測したデータの解析結果を論文にまとめて投稿します。
2.また、その解析に求めた星形成率を使って、酸素の52ミクロン輝線のモデルフィットをやり直します。その後、52ミクロン輝線の論文をまとめて投稿します。
3.次年度に上記の研究プロジェクトが終わったら、引き続きJWSTやALMA望遠鏡を使ってほかの高赤方偏移銀河の性質を調べたいと思います。

次年度使用額が生じた理由

本年度に予定通り論文を投稿することができなかったため、使用額が予算より少なくなりました。次年度に、論文の投稿ができたら、予算をもっと多くの国際会議で発表するために使用したいと思っています。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] The Center for Astrobiology, CSIC-INTA/Universidad Autonoma de Madrid/Instituto De Fisica Fundamental (IFF)(スペイン)

    • 国名
      スペイン
    • 外国機関名
      The Center for Astrobiology, CSIC-INTA/Universidad Autonoma de Madrid/Instituto De Fisica Fundamental (IFF)
  • [国際共同研究] Chalmers University of Technology(スウェーデン)

    • 国名
      スウェーデン
    • 外国機関名
      Chalmers University of Technology
  • [国際共同研究] Carnegie Observatory/University of Pennsylvania(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Carnegie Observatory/University of Pennsylvania
  • [国際共同研究] European Southern Observatory(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      European Southern Observatory
  • [国際共同研究] Geneva Observatory, University of Geneva(スイス)

    • 国名
      スイス
    • 外国機関名
      Geneva Observatory, University of Geneva
  • [雑誌論文] Reionization and the ISM/Stellar Origins with JWST and ALMA (RIOJA): The Core of the Highest-redshift Galaxy Overdensity at z = 7.88 Confirmed by NIRSpec/JWST2023

    • 著者名/発表者名
      Hashimoto T., Alvarez-Marquez J., Fudamoto Y., Colina L., Inoue A. K., ......, Ren Y. W. et al.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal Letters

      巻: 955 ページ: L2~L2

    • DOI

      10.3847/2041-8213/acf57c

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] RIOJA: NIRCam and NIRspec observations of SXDF-NB1006-2 at z = 7.22024

    • 著者名/発表者名
      Yi Ren
    • 学会等名
      日本天文学会2024年春季年会
  • [学会発表] Observation of the [O III] 52 micron emission from a z=7.2 galaxy2023

    • 著者名/発表者名
      Yi W. Ren
    • 学会等名
      ILR kickoff meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] ALMA and JWST NIRCam Observations of a Galaxy at z=7.2122023

    • 著者名/発表者名
      Yi W. Ren
    • 学会等名
      Resolving the Extragalactic Universe with ALMA & JWST
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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