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2023 年度 実施状況報告書

確率共鳴を用いた熟練者の体性感覚知覚能力の限界突破

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ2225
研究機関株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(Research Lab.)

研究代表者

加藤 辰弥  株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(Research Lab.), リサーチラボラトリー, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
キーワード体性感覚 / 感覚情報処理 / 運動制御 / 確率共鳴
研究実績の概要

本年度は,知覚閾値下ノイズ刺激による体性感覚知覚向上に関する実験を実施した.本研究で用いる刺激は,知覚閾値下ノイズによって知覚が向上する確率共鳴という現象に基づき考案された.この確率共鳴においては,生体内の内部ノイズが小さいことがその発露において重要であるとされている.そのため,知覚閾値下ノイズ刺激による指の体性感覚知覚向上を目指す際,既に生体内ノイズが小さい熟練ピアニストにおいてより刺激による恩恵が生じると考えられる.すなわち,知覚閾値下ノイズ刺激はパフォーマンスが頭打ちになった熟練者に有効な体性感覚知覚向上手法である可能性がある.
本研究ではまず,指の体性感覚知覚を評価するために,外骨格ロボットと力触覚提示デバイスを用いた評価システムを開発した.その後,当該システムを用いて熟練ピアニスト(音楽大学のピアノ専攻に在籍中・在籍歴あり)を対象とした示指の体性感覚知覚評価実験を実施し,ランダムに知覚閾値下または閾値上の振動ノイズ刺激を手関節内側へ実験中に与えら.その結果,手関節内側への閾値下振動ノイズ刺激では熟練ピアニストの示指の体性感覚知覚が向上しないことが明らかとなった.
以上の実験結果から,対象指を環指へ,刺激を振動から電気へ,刺激位置を前腕の総指伸筋上へと変更した.また,指の体性感覚を評価する新たな評価システムを開発した.予備実験の結果,知覚閾値下の刺激により熟練ピアニストの環指の体性感覚が向上したため,本実験へと移行している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

外骨格ロボットと力触覚提示デバイスを用いた指の体性感覚知覚を評価するシステムを開発した.しかし,手関節内側への振動ノイズ刺激により熟練音楽家の体性感覚の向上が認められなかった.そのため,研究の進捗はやや遅れている.

今後の研究の推進方策

刺激モダリティを振動から電気へと変更し,評価対象指を示指から環指へと変更した.予備実験では,熟練ピアニストの体性感覚向上がみられたため,今年度は現刺激プロトコルによる本実験を完遂する.本実験でも熟練者の体性感覚向上が認められた場合,その神経生理メカニズムの解明とトレーニングによる長期効果の検証を進める.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Comparison between lower-limb corticospinal facilitation during upper-limb muscle contractions and upper-limb corticospinal facilitation during lower-limb muscle contractions2023

    • 著者名/発表者名
      Kato T, Sasaki A, Ishikawa K, and Nakazawa K.
    • 学会等名
      Neuroscience 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] Ipsilateral Neural Connectivity Between the Upper and Lower Limbs.2023

    • 著者名/発表者名
      Kato T
    • 学会等名
      The Miami Project of Cure Paralysis, Special Lecture
    • 招待講演
  • [学会発表] 新規な多関節協調運動獲得に伴う大脳皮質の神経律動変容2023

    • 著者名/発表者名
      加藤辰弥, 女川亮司, 石川慶一, 横山光, 中澤公孝.
    • 学会等名
      第17回Motor Control研究会

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公開日: 2024-12-25  

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