研究課題/領域番号 |
23KK0005
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鈴木 釈規 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (60910213)
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研究分担者 |
冨浦 洋一 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10217523)
石田 栄美 九州大学, データ駆動イノベーション推進本部, 教授 (50364815)
清水 敏之 九州大学, 附属図書館, 准教授 (60402468)
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研究期間 (年度) |
2023-09-08 – 2026-03-31
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キーワード | アーカイブズ / 検索システム |
研究実績の概要 |
本研究は、アーカイブズ機関に所蔵されるアーカイブ文書を検索するシステムの構築及び評価を目的とする。今年度は、次の三つの研究を行なった。 (1)アーカイブ資料の引用は非常に少ない。歴史分野の学術文献を対象に、アーカイブ引用文の収集、引用文についての正解作成、複数の機械学習を用いて引用文の自動特定器を構築及びそのための一連の方法を提案した。この研究により、アーカイブ資料の情報を含む文の特定が可能となり、Finding Aidsを補うことが期待できる。この成果は、国際会議 (International Conference on Asia-Pacific Digital Libraries, ICADL2023)で発表した。 (2)アーカイブズ機関に所蔵されるアーカイブ資料の多くは電子化が進んでいなく、アーカイブリポジトリコンテナと呼ばれる箱に格納されている。資料探索者は、アーカイブ図機関で閲覧希望のコンテナを請求する必要があり、時間・コストを要する。所望の資料が格納されるコンテナを、文書とコンテナ格納関係、資料に付与されたメタデータ(作成日、関連機関など)の関係をグラフとしてモデル化し、グラフニューラルネットワークを用いた検索手法を提案した。Known-Item 検索として評価実験を行い、有効性を確認した。この成果は、国際会議(International ACM SIGIR Conference on Research and Development in Information Retrieval)に採択が決定した。 (3)アーカイブ検索システムの研究を推進するために、検索システムについての課題共有型、国際ワークショップ(NTCIR-18)に、項目(1),(2)を共有研究課題として採択がされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、アーカイブズ機関に所蔵されるアーカイブ文書を検索するシステムの構築及び評価を目的とする。今年度は、次の三つの研究を行なった。 (1)歴史分野の学術文献を対象に、アーカイブ引用文の収集、引用文についての正解作成、複数の機械学習を用いて引用文の自動特定器を構築及びそのための一連の方法を確立・提案した。この研究により、学術文献中のアーカイブ資料の引用は非常に少ないが、その中からアーカイブ資料の情報を含む文の特定が可能となり、Finding Aidsを補うことが期待できる。この成果は、国際会議 (International Conference on Asia-Pacific Digital Libraries, ICADL2023)で発表した。 (2)アーカイブズ機関に所蔵されるアーカイブ資料の多くは電子化が進んでいなく、アーカイブリポジトリコンテナと呼ばれる箱に格納されている。資料探索者は、アーカイブ図機関で閲覧希望のコンテナを請求する必要があり、時間・コストを要する。所望の資料が格納されるコンテナを、文書とコンテナ格納関係、資料に付与されたメタデータ(作成日、関連機関など)の関係をグラフとしてモデル化を提案し、グラフニューラルネットワークを用いた検索手法を提案した。Known-Item 検索課題として評価実験を行い、有効性を確認した。この成果は、国際会議(International ACM SIGIR Conference on Research and Development in Information Retrieval)に採択が決定した。 (3)アーカイブ検索システムの研究を推進するために、検索システムについての課題共有型、国際ワークショップ(NTCIR-18)に、項目(1),(2)を共有研究課題として採択がされた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の目的は、アーカイブズ機関での資料探索者の検索に有用な高度な検索システムの実現である。対して、今年度までの研究では、既知文書の格納コンテナを検索するアーカイブ資料検索システムのプロトタイプの構築を行なった。目的である高度な検索システムの実現には、(a) アーカイブズ機関での熟練の資料探索者は、文書をどのよう探索するか、コンテナを請求するか、(b) 今年度に構築したプロトタイプシステムを用いて、資料を探索するときに、検索結果のコンテナは、実際に請求するコンテナに近いかどうかを調査検討することが必要になる。(a) (b) については、次年度にアーカイブズ機関での利用者調査を行い、分析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果発表を行う国際会議(ICADL)に、当初の予定では、共著者全員で参加する予定であった。都合により、国際会議に参加できなかったため、その旅費分を次年度使用額にする。次年度では、研究代表者の鈴木が、共同研究者であるOard教授の米国メリーランド大学で在外研究を開始する。現地での聞き取り調査や計算機実験のために、ノートPCが必要である。その物品費に充てる予定である。
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